育児・家族

「構造的弱者」への眼差し訴えた東大・上野千鶴子名誉教授の祝辞

著者:おおたとしまさ

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東大の赤門【写真:photolibrary】
東大の赤門【写真:photolibrary】

 4月12日に行われた東京大学入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞が、話題を呼んでいる。上野名誉教授は、冒頭に昨年話題になった東京医科大学の不正入試問題に触れ、教育の場における男女の不平等を説明。「女子学生が置かれている現実」として「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別などを指摘した。全文は東大ホームページに掲載にされている。実際の映像は、ノーカットで、日テレNEWS24のサイトなどで閲覧できる。『ルポ東大女子』(幻冬舎刊)の著者で育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏に寄稿してもらった。

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親の性差別を指摘 性的に非対称な社会構造

 東京大学入学式での上野千鶴子名誉教授の祝辞が話題になっている。賛否あるらしいが、私は率直に素晴らしい内容だと感じた。その理由を勝手な解釈とともに述べる。

 まず医学部入試における女性差別を取り上げ、それが特定の大学のみで行われていたわけではないことをデータで示す。不自然なデータから「あれ?」と感じとるところから多くの学問は始まる。

 考えられる理由の3つめに「息子は大学まで、娘は短大まで」でよいと考える親の性差別を指摘する。「意欲の冷却効果」「翼を折られてきた」とも表現する。能力はあるのに、東大を受験することすらできない女子が、全国にはたくさんいる。性的に非対称な社会構造がある。

 次に話は、入学後の東大生の男女格差におよぶ。圧倒的に男女比が違うので、東大の学内では、東大女子はモテる。しかし他大学生との付き合いにおいては、「東大」の看板があだとなる。これは拙著『ルポ東大女子』を執筆するにあたり、多く聞いた話である。

 世の中には「男性のほうが上であるべき」という目に見えない価値観が根深く、多くの男性が無意識のうちに自分より“できる”女性をパートナーにしたくないと思ってしまっているからである。