からだ・美容
実録・わたしの更年期「ある朝、起きたら突然死にたくなった―」
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女性ホルモンの急激な減少により、体調や精神面が不安定になりやすいといわれる女性の更年期。不眠や肩こりに悩んだり、感情を抑えられずイライラしてしまったり。骨の健康が気になるのもこの時期です。しかし、自分の不調が更年期と関係があるとは気付かずに、我慢したり、頑張ったりしている人も多いかもしれません。また家族や周囲の理解を得られずに、辛い経験をする人も。まさか自分が更年期症状に陥ってるとは思わず、心身ともに辛い経験した43歳女性に話を聞きました。
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繰り返す体調不良 朝起きるのが辛い 仕事のストレスと思って頑張ってたけれど
都内在住43歳の橋本良子さん(仮名)は、夫と娘ひとりの3人家族。仕事もしながら家のこともこなしてきました。ところが昨年の夏前から、吐き気やしびれ、体調不良が続き、風邪をひいては寝込むことを繰り返していたといいます。そして突然、気持ちの面でも“異変”が起きます。
「去年の秋のことでした。突然、朝起きたとたん『死にたい』っていう気持ちが私を支配し始めたのです。どうやったら死ねるんだろう? 体は不調で、重くてだるいし。どうしたらラクになれるんだろう? ふとしたときに、そういうことばかり考えて、うつ状態になっていました」
忙しい仕事のストレスもあり、だんだんと朝起きるのも辛くなってきた良子さん。内科に通って風邪薬などを処方してもらい、頑張って両立させていたといいます。しかし、全く体調は戻らず、どんどん精神的にも追い込まれるように。
「とにかく私自身、すごくイライラしていました。休日はできるだけゆっくり寝ていたかったのですが、家族の食事の用意や掃除、洗濯など、休めば休むほど家事は溜まってしまいます。そうこうするうちに、突然、やる気そのものが枯渇してしまったんです。でも、夫や娘が『家事が手抜きになった。ナマケてるんじゃないか?』と、文句を言うようになってきて……もう何年も一緒に暮らしてきた家族なのに、どうしてこんなひどいことを言うんだろう? どうして、自分たちがサポートするという考えを持ってくれないんだろう? そう思えば思うほど辛くなっていきました」
家族から文句を言われないよう、これまで通り家事や仕事をこなそう。仕事もパーフェクトにこなそう。そう思うのに、良子さんの身体も精神も、どうしてもついてこなかったといいます。そんなある日のことでした。
「言われなくてもさぁ、ワイシャツくらいクリーニング屋に取りに行ってくれよ。おまえのほうが、ラクしてるんだから」
帰宅した夫から放たれたこんな言葉に、良子さんは目の前が暗くなるような衝撃を受けたといいます。