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10代で芸人、20代で留学、30代でフィンランドに移住した日本女性の不思議な縁
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フェミニズムに目覚めた大学時代 海外留学も頻繁に
高校時代にオーディションに合格し、プロの芸人になるなど奇特な経験をしているminoriさんだが、国際基督大学(ICU)に合格。そこでフランス語にハマり、アルバイトで貯めたお金で何度か留学をしたそうだ。
そしてminoriさんはICU在学中、本当にやりたいことを見つける。それが「フェミニズム」だった。その後、「フェミニズム」を学ぶために、お茶の水女子大学の大学院に進学。そして、再びフランスへ留学した。
「フェミニズムについて学び始めて、最初の1、2年は辛かったです。知識がまばらだったこともあり、知れば知るほど怒りが止まらないという感覚。けど、大学院生になり学び始めたころから数えて5、6年経ったころから、体系的に理解できるようになり、学んでいてよかったと思うようになりました」
「偏見を持たず世界を見られるようになり、感覚が国際的な基準に近づいたのは、のちのちとても役に立ちましたね。インターナショナルな人と話すときに知識があるので、対等に議論ができますし、ポリティカル・コレクトネス(差別や偏見が含まれていない言葉や用語)がある状態で話しているので、友達ができやすいと思います。いまは、ほとんどの友達が外国人です」
「意見をはっきり言うので、日本の男性には怖がられることもありますね。ツイッターでも投稿したことがあるのですが、日本は“気が強い”と女性にいうのは悪口になりますよね。でも、海外では誉め言葉。自分の意見を持っていたり、強い意志を持つ人は頑固でない限り、性別に関係なしに素晴らしい特質として見なされます。また、例えば、“美人なのに性格悪くない?”って言われたとしたら、“見た目と性格は全然別物でしょ?”とはっきり言いますね」
語学を学ぶと同時に、国際的な考え方を身に着けていったminoriさんは、ますます海外生活を希望するようになっていったようだ。
フィンランドとの不思議な繋がり 生涯の友人との出会い
実はこのころ、minoriさんは冒頭の夫妻とは別のフィンランド人に偶然出会うことになる。大学院に進学してすぐのころ、父と宮崎県へ帰省し、街中でたまたまぶつかったフィンランド人のカップルと、その後長きに渡って友好を深めることになったそうだ。
「交差点で父が金髪の男女に思いきりぶつかり、突然フィンランド語で“フィンランド人ですか?”と話しかけたんです。ふたりは同国のテレビ局で放送する、旅番組を作りに日本へ来ていたのだそう。そのまま自宅へ誘い、あっという間に仲良くなりました。父は“ふたりは生涯の友達になるよ”と言っていたそうなのですが、フランスに住むと信じていた私には、全然ピンときていませんでした」。
幼いころから海外の人やものに触れる機会の多かったminoriさんだが、子どものころ日本ではまだまだなじみの薄かった、フィンランドと偶然にも強い繋がりがあったそうだ。次回は、minoriさんがフィンランドへ渡った理由、そして見つけたライフワークについて迫る。
(Hint-Pot編集部・白石 あゆみ)