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からだ・美容

ビジネスや政治の世界にも浸透 「セクシャルウェルネス」「フェムテック」の基礎知識

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:OliviA

「セクシャルウェルネスが充足している状態」の世界的な理解とは

スマートフォンのアプリを使ったサービスもフェムテックの一部(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
スマートフォンのアプリを使ったサービスもフェムテックの一部(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 また「世界性の健康学会」では、2019年の学術集会で「セクシュアル・プレジャー」宣言を発表しました。同学会では、健康と権利にプラスして、性生活に気持ち良さや快楽、プレジャーがあることをとても大事な概念であると考えています。

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「快楽」というと、日本では独りよがりな性欲発散というイメージもありますよね。プレジャーも「悦楽、快楽、享楽」のように訳されることが多いでしょう。

 しかし、ここでのプレジャーとは、関係性が対等であり、暴力や差別的な関係性のない状態の2人が、フェアな状態で性行為によって気持ち良さを得ることです。例えば、相手と「その行為がしたい/したくない」がきちんと言い合える関係性があるなど、平等かつ対等であることが重要な前提になります。

 プレジャーの概念を理解するために、「性的同意」というワードはとても大切です。性行為は、参加する人全員に性的同意を取った上で行われなければなりません。相手の意思を無視して独りよがりに誘う、また相手側が誘いを断れない、断りにくい状態はプレジャーな関係ではないのです。ベースは“楽しむもの”であるということもお伝えしたいですね。

 また、プレジャーにはマスターベーションも含まれます。“自分を満たすプレジャー”もとても大切であり、ましてや差別の対象になってはいけないという考えです。

 このように“健康と権利が両立した状態”が、世界的には「セクシャルウェルネスが充足している状態」と理解されています。ただし日本では、性の話がまだまだ“下ネタ”として扱われ、タブーで恥ずかしいことと思われる傾向が強いでしょう。この概念が一般的なものになるのは、もう少し時間がかかるかもしれません。

女性の健康課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」

 次は「フェムテック」についてです。これはFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけ合わせた造語で、「女性の健康課題をテクノロジーで解決する」という意味を含みます。2013年頃からヨーロッパで使われ始め、日本では3年前くらいからメディアで取り上げられるようになりました。

 この「健康課題」は思春期から老齢期まで幅広く、月経や妊活、出産、更年期に、メンタルヘルスも含みます。最近よくフェムテックとしてメディアで紹介されるのは、ナプキンがいらない吸水ショーツや月経カップなど、最新型の月経用品です。この他にも、女性が仕事や学業に集中できる状況を助ける便利なアイテムが続々と誕生しています。

 そしてセクシャルウェルネスもフェムテックのカテゴリーの一部です。例えばアイテムを指すなら「フェムテックのセクシャルウェルネスに関するアイテム」となります。その一つは「セックストイ」です。デザイン性や機能性が高く、見た感じはセックストイであるのか分かりにくい形状をしています。

 また妊活サポートのアイテムとしては、放出した精液を腟内にとどめておくシリコン製のカップなどがあります。更年期サポートでは骨盤底筋を鍛えるアイテムも。尿失禁など更年期の骨盤底筋のゆるみなどから起きる問題を予防するもので、ジェンダーレスで使用できるタイプも登場しています。

 メンタルヘルスを改善するサービスには、アプリの相談サービスなどもあります。チャットやビデオ通話などで医師に相談できるサービスや月経サイクルを記録するアプリは、フェムテックの中で一番利用されているアイテムです。

 このように、フェムテックにはメディアでよく紹介される月経用品以外にも幅広いカテゴリがあります。それらのアイテムを見ているだけでも、女性の健康課題を知るきっかけになるのではないでしょうか。

(Hint-Pot編集部)

OliviA(オリビア)

1980年生まれ。ラブライフアドバイザー(R)、アロマセラピスト、日本性科学会 会員。学生時代に「女性の性」をテーマに卒業論文を執筆したことをきっかけに、2007年より性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。台湾でも書籍を出版するなど、日本のみならず海外にも活動の幅を広げ、多方面で「女性のセクシュアルウェルネス」「コミュニケーションを重視した性生活」の提案を行っている。近著に「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)など。