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“蚊博士”が解説 「秋の蚊に刺されるとかゆい」「年を取ると刺されなくなる」は本当か

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:白井 良和

年を取ると蚊に刺されにくくなる? 年齢は無関係

蚊に刺された経験によって、アレルギー反応の現れ方に変化が(写真はイメージ)【写真:写真AC】
蚊に刺された経験によって、アレルギー反応の現れ方に変化が(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ちなみに、「年を取って蚊に刺されなくなった」という声もよく聞かれますが、白井さんによると蚊が好む要素として、基本的に年齢は関係ないそう。しかし、前述した通り、蚊に刺された経験によって症状の現れ方に差があるため、違いがあるように感じるようです。

「子どもは、肌の露出が多い服装で新陳代謝が活発。そのため刺されやすい傾向にありますが、蚊にとっては血を吸えれば子どもでも大人でも年配者でも良いため、年齢を問わず刺します。しかし、かゆみの反応は年齢とともに変化していきます」

 蚊に刺されたことがない新生児期などは無反応。その後、乳児期から幼児期において蚊に何度か刺された経験から、刺された翌日以降にかゆみが出る遅延反応のみが現れるようになります。

 そして、幼児期から青年期では刺されてすぐにかゆくなる即時反応と翌日以降にかゆくなる遅延反応とが両方出るように。さらに青年期以降になると、すぐにかゆくなる即時反応のみを経て、老年期には刺されても反応が出ない無反応となります。

「蚊に刺された経験が多くなった年配者は、無反応になっていてかゆみがほとんどないという人もいるでしょう。研究者の中には、刺されすぎて無反応になった人も確かにいます」

 とはいえ、白井さんによると、刺されやすい人と刺されにくい人は存在するそうで、刺されやすい人の要素としては次の通りです。

【蚊に刺されやすい人の特徴】
・体温が高い
・活発で二酸化炭素を多く出している
・やや汗かきで肌がみずみずしい(肌の水分量が多い)
・色黒

蚊に刺されると怖い病気 重篤なアレルギー反応が現れることも

秋も虫除けスプレーを塗布するなど、蚊対策をしっかりと行うことが重要(写真はイメージ)【写真:写真AC】
秋も虫除けスプレーを塗布するなど、蚊対策をしっかりと行うことが重要(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 蚊に刺されると、かゆみがつらいことはもちろんですが、ただの虫刺されと油断していると、高熱などに襲われることも。

「日本でも、2014年に東京で国内感染を起こした『デング熱』、患者報告数は1992~2011年の間に年間10人以下など非常に少ないものの患者数がゼロではない『日本脳炎』など、注意すべき蚊による感染症があります。『ウエストナイル熱』、『ジカ熱』、『チクングニア熱』なども、海外から入る恐れがある病気です」

 また、病原体を持たない通常の蚊でも人によっては注意が必要です。

「蚊の唾液によるアレルギー反応が重篤になる『蚊刺過敏症』があります。その方々は、蚊に刺されると発熱したり、刺された箇所が壊死したりするので、特に蚊に刺されないよう注意する必要があります」

 多くの蚊は約25~30度の気温で活発になります。暑さが落ち着いてくるこれからの季節、ますます虫除け対策が必要となります。

(Hint-Pot編集部)

白井 良和(しらい・よしかず)

害虫防除技術研究所代表、有限会社モストップ取締役、医学博士。京都府京都市生まれ。1994年、京都大学農学部卒業、1996年、京都大学大学院農学研究科修了後、殺虫剤メーカー勤務を経て、2001年富山医科薬科大学大学院医学系研究科博士後期課程修了。2001年、害虫防除技術研究所を設立、2003年、蚊駆除業務を柱に有限会社モストップを創業。現在では、蚊忌避剤や蚊捕獲器など、蚊や害虫の対策商品について効果を確認する試験を主な業務とし、書籍の出版、テレビ・ラジオ等のメディア協力、YouTube動画配信、Web記事の監修等を行っている。