ライフスタイル
“蚊博士”が解説 「秋の蚊に刺されるとかゆい」「年を取ると刺されなくなる」は本当か
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:白井 良和
夏の暑さが和らぎ始め、聞こえてくる虫の声にも秋を感じるようになってきました。しかし、蚊は秋もまだまだ活発。「秋の蚊に刺されるとかゆい」と聞きますが、それは事実なのでしょうか? また、年を取ると蚊に刺されなくなるといった声も。蚊の活動が活発になる期間について伺った前編に続き、“蚊博士”こと研究歴25年の害虫対策専門家、白井良和さんに解説していただきました。
◇ ◇ ◇
かゆみの原因は蚊の唾液によるアレルギー反応 免疫状態で違いが
夏に蚊に刺された時よりも、秋の方が「かゆい」「腫れる」といった声を聞くことがあります。刺される時期によって違いはあるのでしょうか。白井さんによると、そういった症状が出ることはあり得るそうです。
まず、蚊に刺された時にかゆくなるのは、蚊が吸血時に皮膚の中に唾液を入れるため。この唾液によるアレルギー反応でかゆくなります。この反応は、刺された経験や免疫の状態、年齢によって、反応が大きくなったり小さくなったりするそう。また、指や腕など刺された部位によっても感じるかゆみが異なります。
「個人の免疫状態によって大きく異なるため、誰もが同様に該当する状態ではありませんが、人によっては、ヒトスジシマカに刺された経験が秋の方が多くなっているため、かゆみが増す人がいるかもしれません。また、アカイエカは秋に増えます。刺された経験が少ないアカイエカに刺されたことで、かゆみが増す人がいるともいえるでしょう」
雨宿り中や雨上がりは特に要注意
秋に蚊が活発になるのに、気温が大きく関係していることは前編で説明した通り。それだけでなく秋は一年の中で最も雨量が増えます。そういった気象条件も、秋に蚊に刺されることが増える原因の一つのようです。
「雨が降ると水たまりが増えるため、蚊の幼虫が多く育ち、全般的に蚊が多くなります。大雨の時には、蚊に刺される可能性は低いですが、屋根の下で雨宿りをしている時には、蚊に刺される可能性があります。雨の後は、降雨中に吸血できなかった蚊が、吸血意欲満々で人に近づく可能性があり注意が必要です。もちろん雨の前も通常の注意が必要です」
注意をしていても蚊に刺されてしまうことも。そういった時に、即効性のある対処法としては、ジフェンヒドラミン(抗ヒスタミン薬)などかゆみ止め成分が入った虫刺され薬を塗布するのが一番有効だそう。虫刺され薬がない場合には、流水で冷やし、なるべくかかないようにすると良いようです。