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一時不停止を再現 「止まったつもり運転」を自動車学校が注意喚起し大反響

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「止まれ」の道路標識や道路上の停止線など、一時停止の指定場所ではしっかりと完全停車を(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「止まれ」の道路標識や道路上の停止線など、一時停止の指定場所ではしっかりと完全停車を(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 自動車学校での卒業検定では、即試験中止になる危険行為があります。その1つが、一時不停止。交通安全を呼びかける実演動画が人気の烏山自動車学校(栃木県那須烏山市)は、「一時停止場所でよく見る『止まったつもり』運転」と題した動画を公式ツイッター(@KarasuyamaDS)で公開。5000件を超える“いいね”を集め、話題になっています。どうやら心当たりがある人が少なくないようです。

 ◇ ◇ ◇

「一時停止違反」は取締り件数が最多 1年間で160万件以上も

 令和3年交通安全白書によると、令和2年中における車両等の道路交通法違反(点数告知に係る違反を除く)の取締件数は575万1798件。その中で最も多いのが、「一時停止違反」で160万4972件にのぼります。

 それでは一時停止とは、どのような状態を指すのでしょうか。道路交通法第四十三条には、「道路標識等による停止線の直前(道路標識等による停止線が設けられていない場合にあつては、交差点の直前)で一時停止しなければならない」とされています。つまり、停止線より手前すぎても、タイヤが停止線を踏んでいてもいけません。

 また、停止時間に関しては明確には定められていませんが、完全に停止した状態で、しっかりと左右や前方の安全確認を行ってから発進することが大切です。そのため数秒はタイヤを止めて、ゆっくりと動き出すことになるでしょう。

一時停止の指定場所でよく見かける車を再現

教習コースで「止まったつもり運転」を再現(画像はスクリーンショット)
教習コースで「止まったつもり運転」を再現(画像はスクリーンショット)

 自動車学校では、誰もが一時停止についてしっかりと学んでいるはず。しかし、ブレーキ操作に慣れてくると、ついつい「止まったつもり運転」になってしまう人もいるようです。

 烏山自動車学校の公式ツイッターは、「検定だと一発中止! 一時停止場所でよく見る『止まったつもり』運転」とコメントを添えた5秒の動画を投稿し注意喚起しています。

 そこには、停止線の前でスピードをゆるめた乗用車が。運転手は左右を確認しゆっくりと運転していますが、結局最後まで一度も完全停止をすることはなく、そのまま停止線を越え、進んでしまいました。

重大事故につながることも しっかりと完全停止を

 動画は反響を呼び、すでに17万件近く再生されています。そしてリプライ(返信)には、「よく見かける光景」「止まらない人多いですよね」「止まれで停止線で止まったら、後ろの車にホーン鳴らされたことありますよ」など、実際に目撃したことがある人が多数。

 また、「この前、停止が甘いっておまわりさんに怒られました」「これやらかして仮免落ちました」など、心当たりがある人の意見も見られました。一方、「『4秒数えなさい』。警察官が教えてくれた。いつも数えてる」など、普段から十分に心がけているという声もありました。

 令和元年中の交通死亡事故発生件数を法令違反別(第1当事者)を見ると、一時不停止等による事故は94件発生しています。ひとたび事故になれば、重大な結果を招くことも。同校の担当者さんは、「わずかな停止時間ですが、それが一生という長い時間を後悔しないための大切な停止になりますね」と、一時停止の重要性を説いています。

(Hint-Pot編集部)