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質素すぎるスイスの夕食が大バズり スイス人と国際結婚した日本人女性YouTuberが気づいたこと
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「YouTuber」は、近年の子どもたちの「なりたい職業ランキング」で上位に食い込んでいる人気職業のひとつです。国際結婚をして、スイス人の夫ファビオさんとスイスで男児2人を育てるAmiさん。家族とのスイス生活や日本に一時帰国した際のリアルな日常を、自身のYouTubeチャンネル「Ami’s Life スイス4人暮らし」で発信しています。そんなAmiさんに、チャンネルをスタートしたきっかけなどを伺いました。
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スイス人の夫との出会いはカナダ 数年経って再会し交際スタート
北海道の十勝地方で生まれ育ったAmiさん。海外留学制度を置いていることが多い本州の高校に行きたいと思っていたそうですが、ご両親の反対を受けて地元の高校へ進学。海外へ行くという夢を実現するため、高校卒業後は地元市役所で2年間働いて貯金し、2012年にワーキングホリデー制度を活用してカナダのバンクーバーへ飛び立ちました。
最初の3か月は語学学校で英語を学ぶ生活。のちに国際結婚を果たすファビオさんも、スイスから半年間ほど語学留学しに来ていましたが、この当時は友人の域を出なかったそうです。Amiさんはその後、就労ビザを取得することに成功。バンクーバーから東に約870キロ離れたキャンモアという町に拠点を移し、ピザ店で働いていました。
3年ほどピザ店で働いて日本へ帰国する前に、ドイツやスイスなどヨーロッパ各地をめぐる旅に出たAmiさん。そのなかで、ファビオさんと再会を果たしました。それがきっかけで、カナダでの最初の出会いから3年以上経ってから正式に交際が始まったのだそうです。
しかし、すでに日本帰国が決まっていたAmiさんとスイス在住のファビオさんは、遠距離恋愛に。それでもファビオさんは、2か月に1回程度の頻度で訪日してくれたのだそうです。そして約1年後の2017年に国際結婚をし、Amiさんはファビオさんの住むスイスに移住することになりました。
スイスの質素すぎる夕食動画がバズったきっかけ
スイスでの生活は想像していた以上に就労が難しいものだったそうです。実はスイスは学歴社会。大学に行っていないAmiさんにとって、働ける場所が限られている上、ドイツ語などが第一言語のスイスでは語学という面でも厳しい状況でした。
「スイスにいる日本人としてできることって何だろう、と考えたときに、海外生活とか自分の日常生活の配信で興味がある人がいるかもしれない。それでなおかつ収入になることができれば……と思って(YouTubeを)始めてみようかなと思ったんです」
そうはいっても、始めてからの1年は試行錯誤の連続で、チャンネル登録者数も1000人台と伸び悩んでいたそう。そこから急浮上のきっかけになったのは、なんの変哲もない、スイスではよくある夕食風景を切り取った動画でした。
「スイス人のおじ、おばの家で夕食を食べる動画だったのですが、スイス人の普段の夕食はとても質素なんです。硬いパンにチーズ、ハム、ヨーグルトのように、温かい食べ物がありません。日本だとごはんとおみそ汁、主菜と副菜があるイメージですが、スイスではこれが当たり前。それが大反響になって、こういうのがおもしろいと感じてもらえるんだなと気づきました」
現在では133万再生回数を記録しているこの動画。コメント欄には「ごはんに手間かけるより家族とゆっくり時間を過ごすことを大切にしてる雰囲気が伝わって素敵」「日本の家庭より質素ななかで、なごやかで優雅な暮らし方をされていてうらやましい」「スイスの食生活、ヘルシーでシンプルですね」という声が寄せられています。
「(夕食は)こうあるべきと、日本人は頑張りすぎなのではないかなとも感じて、同時にすごく気が楽になりました。こんな感じでいいんだとか、こういうのを広めること、知ってもらうことがいいと思いました」
それまでは自分たちの生活だけを見せていたものから、異文化で生活するにあたって驚いたもの、おもしろかったものなどを組み込むように心がけたというAmiさん。また、自身が忘れがちな日常にある小さな幸せや感謝などを共有することで、視聴者も幸せな気持ちになってほしいといいます。今ではチャンネル登録者数も12.2万人まで増加。週に1度の配信を心がけている動画は、30万以上の再生回数をコンスタントに記録するようになりました。
北海道十勝地方出身。日本とカナダで働いたのち、2017年にスイス人のファビオさんと国際結婚。2019年に長男ミオくん、2021年に次男リノくんを出産。自身のYouTubeチャンネル「Ami’s Life スイス4人暮らし」で、スイスのチューリッヒ郊外に家族4人で暮らす生活を配信。
(Hint-Pot編集部)