漫画
「日本のテレビのおかげ」スイス在住日本人女性の発見とは 目からウロコの漫画に称賛
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女の子は赤いランドセルを“選ぶべき”、男の子は“男の子らしくするべき”……多様性にまつわる問題は、日本にもまだ多く残っていると指摘されています。その一方で、女装やメイクをする男性タレントが自然に受け入れられ、多数のファンを獲得していますよね。少しずつではあるけれど、メディアの世界などからお互いの“好き”や“大切”を認め合う動きが高まりつつあるのかも……そんな希望の光に気付かせてくれる漫画が注目を集めています。作者のケイコモエナ(keikomoena)さんに話を伺いました。
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この人は男の人? 「きれいすぎるんじゃない?」との息子の問いかけに…
作者のケイコさんはスイス人男性と結婚。長男のイチくんと末っ子のゆあちゃんという2人の子どもに恵まれ、現在はスイスの山奥に住んでいます。インスタグラムには、子どもたちの成長の軌跡や外国での生活を題材にした漫画を投稿。ソフトなタッチとほのぼのムードが人気です。
ある日、イチくんと日本のテレビを見ていたケイコさん。すると、CM中に出てきた今流行りの男性タレントを見て、イチくんはその人の性別を尋ねます。「男の人だよ」とケイコさんが答えると、イチくんはびっくり!
「えっ、か、か、かわいすぎるんじゃないの?」
その答えを聞き、ケイコさんは考えます。確かにスイスの男性タレントは、ヒゲや胸毛を生やしていたり、体が大きかったりと男性的な見た目の人がほとんど。また、住んでいるのが田舎だからか、イチくんの周りにはいわゆる“男性らしい”髪型や服装をしている人ばかりなことに気が付きました。
しかし、日本のテレビ番組に次々と現れるのは、メイクをしたキラキラの男性タレントやゴージャスなドレスをまとった男性MC。「この人も男の人」とケイコさんに言われる度、イチくんは目玉が飛び出るほど驚きます。
「むすこの『男の定義』を覆してくれた日本のテレビ。
色んな人がいて素晴らしい
そんな世界を観せてくれた。
イチ、日本のテレビから目が離せません」
お話は、そんなモノローグで締められています。また、投稿のキャプションには、ケイコさんが聞いた友達の息子さんのエピソードも。ピンクのTシャツで学校へ行くと、からかわれて泣いて帰ってきたという話に「怒りを覚えた」と綴っています。
「男の人がお化粧してても、ドレス着てても、男の人同士が好きでも、女の人同士が好きでも、それでその人たちが幸せならそれで良い」……ケイコさんはそう考えています。しかし、イチくんに言葉だけで教えるのは難しいもの。「そんな気持ちを親が語っても分からない環境にいるイチですが、日本のテレビのおかげで自由な発想の世界を垣間見ることができたようです」と、良い機会になったことをケイコさんは喜んでいます。
コメント欄では、大きくうなずく読者が続出! 「そうよ! イチくん! 世界は広いのだ!」「個々の持ち味を楽しみ合ってSNSもすると心地いいよなあ……」などの声が寄せられました。
また、住んでいるからこそ日本のいいところを見逃してしまっていたのかもしれないと、ケイコさんの漫画で気付く読者も多かったよう。
「日本は没個性なんて(外国で)しょっちゅう言われているけど、そういうわけでもないのですね。いい気付きをいただきました」「普段目にしている世界の中に、このような、世界を広げてくれる人たちが当たり前に出ていることを改めて気付かされて目からウロコです。日本がまた好きになる」など、日本の状況を見直す声もたくさん書き込まれています。