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「ママはもう私の面倒を見られません」 2匹の猫が保護施設前に置き去り 元飼い主の選択が注目された理由とは【米】
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ペットを飼い切れなくなり、動物園や保護施設などの前に置き去りにするケースは、日本だけではありません。米国のある保護施設の前には、それぞれケージに入った状態で2匹の猫が置いていかれました。しかし、同施設は猫を置き去りにした飼い主に「ありがとう」のメッセージを投稿。なぜ施設は感謝を示したのでしょうか。
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猫が入ったケージの表面に残された手書きのメッセージ
「私の名前はベイビーです。ママはもう私の面倒を見られません。私と妹の次の家を探してください。ありがとう」
米ノースカロライナ州にある動物保護施設「ブラザー・ウルフ・アニマル・レスキュー」に置き去りにされていた2匹の猫。そのうちの1匹が入ったケージ表面に書かれていたメッセージです。
ケージは薄汚れており、マジックで書かれた文字はところどころにじんでいます。ケージの中には、グレーの長毛猫の姿が。そして、もうひとつのケージには短毛の三毛猫がいます。
同施設が公式フェイスブックに投稿したメッセージによると、2匹が入ったケージはプレイヤードの日陰に置いてあったそう。許されない行為ですが、施設はこのつらい選択をした元飼い主に向けて、「あなたがとてもかわいがっていた猫たちを私たちに託してくれてありがとう」と、感謝の言葉を送りました。同施設は猫たちを保護したときの状況について、コメント欄で詳しく説明しています。
それによると、元飼い主は施設スタッフが出勤してくる直前に、フェンスで囲まれた日陰のある場所に置き去りにしていたようです。非情な行動ではありますが、猫たちの命を救うために「彼らは最善を尽くした」と綴っています。
「思いやりを持って接してくれてありがとう」 保護施設の姿勢に同調も
コメント欄には、こうした施設の姿勢を支持する声が。「猫を預けた人(元飼い主)に親切にしてくれてありがとう。ペットをこんなふうに置いていくなんて……とよく言われますが、これがペットにとっても、人間にとっても一番いいことなんです」「意見ではなく、思いやりをもって接してくれてありがとう。このかわいい子たちに新しい家族を見つけるチャンスが与えられて良かった」「どんなに悲しくても、その人(元飼い主)は最善のことをした。もし彼ら(猫たち)が絆で結ばれているのなら、一緒にひとつの家に引き取られることを願っています」などの声が寄せられています。
NBCの系列局「WHNS」によると、2匹はその後「ジューンバグ」と「マグパイ」と名付けられ、里親募集をしているそうです。
保護施設前に置いていったとはいえ、ペットを捨てることは許されない行為で犯罪です。もしも、失業や病気などやむを得ない理由で手放さざるを得なくなった場合は、飼い主としてあらゆる手段を尽くし、一生涯面倒を見てくれる新たな飼い主を探す必要があります。家族として迎えたペットが最後まで幸せに暮らせるようにするため、安易な対応はしないようにしましょう。
(Hint-Pot編集部)