動物保護施設で7年もの間過ごしてきた犬が里親に引き取られるというハッピーなニュースが、米ペンシルバニア州で話題になっています。しかも、その犬と里親は初対面にして、なんとも不思議な縁を感じる出来事がありました。亡き先代犬からの”お墨付き”だと感じたこととは。

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少なくとも3度、引き取りから戻され人間不信になったエラ

　保護犬は、年齢を重ねるほど新しい飼い主が見つかりにくいといわれています。米ペンシルバニア州の動物保護施設「アニマルリソースセンター」にいるピットブルの「エラ」も、例外ではありませんでした。

　エラは生後5か月の頃、痩せ細った状態で迷子としてセンターにやってきました。子犬だったエラは里親に引き取られることに。ところが、まもなくセンターに戻されてしまいました。その後も不遇は続き、少なくとも3度、里親は見つかりましたが、飼い主の引っ越しなどさまざまな理由からセンターに戻されてしまいました。

　もともとエラは愛情深い性格でしたが、その結果、人間との信頼関係が壊れ、人間に対する恐怖心が芽生えてしまったそうです。こうして7年もの長い年月を、エラはセンターで過ごしてきました。

ケイトリンさんがエラのバンダナを見て涙目になった理由

　そんなエラにようやく、「里親になりたい」という連絡が届いたといいます。メールを送ったのは、地元に住むケイトリンさんという女性。連絡を受け、エラとケイトリンさんが顔合わせをすることになりました。すると、信じられないような縁で結ばれていたことがわかったのです。

　エラは攻撃的な性質があるため、新しい飼い主と打ち解けるには何度も面会する必要がありました。しかし、エラはケイトリンさんを初めて見た瞬間から、「この人は私の里親だ」と理解した様子だったそう。エラはなんのためらいもなくケイトリンさんに歩み寄っていきました。そして、ケイトリンさんがエラを撫でたり、かいたりするのを許したそうです。

　スタッフは面会が終わる頃、ケイトリンさんが涙目になっていることに気づきました。ケイトリンさんはスタッフを見上げて、1枚の写真を取り出したといいます。

　実は、ケイトリンさんは数か月前に、愛犬の「ジョー」を亡くしたばかり。そのとき、同センターにジョーのものをすべて寄付しました。そのなかには、ジョーが愛用していたバンダナも入っていたそう。ケイトリンさんが差し出した写真には、バンダナを巻いたジョーが写っていました。そして、そのバンダナは偶然にも、エラの首に巻かれていたのです。

先代犬・ジョーの“お墨付き”　即日引き取りを決意

　同センターは、この不思議な出来事を公式フェイスブックアカウントに投稿。それによると、「20匹も犬がいるなかで、なぜジョーが身に着けていたバンダナがエラに渡ったのかわからない」そうです。ケイトリンさんは、この偶然について「エラはジョーの“お墨付き”だと思いたい」と語っているのだとか。

　初対面からかけがえのない絆を感じたケイトリンさんは、その日のうちにエラを自宅に連れて帰りました。この感動的なストーリーは大反響を呼び、投稿には4000件以上の“いいね”が集まっています。

　また、コメント欄には「すごくいい話！」「エラは間違いなく新しいママに大当たりしたわ！　ケイトリンはエラを甘やかし、計り知れないほどの愛情を注ぐつもりよ！」「エラは最高のママを得たんだ！　ジョーが前足をあげたのなら、彼女自身も特別な存在に違いない。ふたりは間違いなく運命共同体なんだ」など、感動の声が寄せられています。

　長い間、ずっと家族を求めてきたエラ。これからは、愛に包まれた幸せな毎日を末永く過ごすことを、多くの人が願っています。

（Hint-Pot編集部）