どうぶつ
「同じ個体とは思えない」 カニのビフォーアフター 脱皮直後の姿に3万人が驚き
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成長の過程で、古い殻を脱ぎ捨てる脱皮。甲殻類のカニは、そうした生態を持つ生き物のひとつです。先日、和歌山県すさみ町にある廃校になった中学校の体育館を改修した、すさみ町立エビとカニの水族館の公式X(ツイッター)アカウント(@ebikaniaquarium)に、脱皮直後のオオタマオウギガニの様子を収めた動画が投稿されました。驚きの変貌ぶりと愛らしさが、注目を集めています。同水族館の嘉藤恭太さんに、詳しい話を伺いました。
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「何このかわいいの! つぶらな瞳、もふもふな体。完璧ですね!!!」
「カニ界でもっともかわいいと噂の子がさらにかわいくなりました」
そんなコメントともに投稿された1本の動画。そこに映った水槽のなかでは、もこもことした物体がゆっくり、横歩きで動いています。その右隣には、ピクリとも動かないカニの姿が。
実は、動いているのは脱皮したばかりのオオタマオウギガニ。カニに見えたものは、脱ぎ捨てたばかりの殻のようです。投稿には、「脱皮殼と見くらべても同じ個体とは思えないほどもふもふに!」と説明が添えられています。
あまりにも違うオオタマオウギガニのビフォーアフターは反響を呼び、3万件の“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には「いやもう『身』じゃん!!!!!!!」「少しすると右になるんですか?」「え、横に鎮座しているのが脱皮殻ですか!?!?」などの驚きの声が。
また、「なにこのかわいいの! つぶらな瞳、もふもふな体。完璧ですね!!!」「なんだ? このもこもこ物体」「歩く綿菓子みたい」「こんなゆるキャラみたいなカニが!?」「ぜひぬいぐるみ化を!!」「何回も見てしまった」と、ふわもこなオオタマオウギガニに夢中になる人が続出しています。
もこもこの部分は毛 時間が経つにつれて硬化
嘉藤さんによると、開館前の見回りをしていた職員からオオタマオウギガニが脱皮したと聞き、急いで撮影に向かったそう。
「撮影を始めたときは、しばらく動きませんでした。撮影を続けているうち移動が見られたため、そのシーンを抜粋して投稿しています。とくに手は加えていませんが、先に気がついた職員が脱皮殻を来館者様に見ていただくため、前に移動させていたのかもしれません」
とても貴重な場面を収めた今回の動画。硬い皮を覆った脱皮前とはまったく違うもこもこな姿は、その後どのように変化していくのか気になるところです。
「カニは脱皮する前に、古い殻の中で新しい柔らかい殻ができているんです。脱皮時には新しい殻に覆われたまま古い殻を脱ぎ捨てますが、新しい殻は柔らかいため複雑な形でも抜けやすいようになっています。オオタマオウギガニは、殻自体に毛が生えている種類。脱皮直後は柔らかいままですが、時間が経つにつれて硬化していきます」
飼育員の間で「カニ界でもっともかわいい」と言われ、以前から話題を集めていたというオオタマオウギガニ。反響について、嘉藤さんは「カニは好きじゃなかったという方からも、かわいいとのお声をいただくなど、普段カニに興味がない方にもカニの魅力をお届けてきたのが、うれしいです」と語ります。
なお、同水族館では2月末まで、和歌山県立自然博物館と共同で「特別展 カニ標本で見る和歌山の海」を開催。アンケートに答えた人には、数量限定のオリジナルポスターをプレゼントしているそうです。
脱皮したオオタマオウギガニが、これからどんな成長を遂げていくのか楽しみですね。
(Hint-Pot編集部)