今年はカニが豊漁。年末年始は豪勢にカニを囲みたいと考えている方も少なくないでしょう。そこで、インターネット通販も大盛況の福井県敦賀市にあるカニ専門店、越前かに職人 甲羅組の田辺@甲羅組店長さんにカニのおいしい豆知識を教えていただきました。カニみその通な食べ方とは？

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カニの可食部は45％　どれくらい注文すればいい？

――インターネット通販でカニを注文する場合、重さ表記が基本です。可食部は平均的に、全体の何％くらいになるのでしょうか。

「あくまでも目安になりますが、ボイルしたズワイガニですと、可食部は約45％程度です。一見、この数字は少なく感じられますが、魚なども頭や骨、内臓を食べられない場合が多いため、魚介類のなかでカニの可食部だけが極端に少ないわけではありません。量販店などで一般に流通しているカニですと、だいたい1人前の目安が殻付きで500グラム程度なので、おふたりでしたら約1キロを購入いただくのがいいかと思います」

――食べられない部位といえば、カニのエラは食べてはいけないと聞きます。その理由と、きれいにはずす方法を教えてください。

「カニのエラは『ガニ』と呼ばれており、カニが水中から酸素を取り入れる際のフィルターのような役割をしています。そのため雑菌や寄生虫が溜まりやすく、腐りやすい性質があるので食べられません。それに、仮に食べてもおいしくないですよ。ガニは指で簡単に取ることができますが、調理バサミで根元を切るようにしてもきれいに取ることができます」

プロが教える、カニみその通な食べ方は？

――逆に、食べておいしい部位の代表格といえば「カニみそ」です。カニみそがおいしいカニの種類は？

「ズワイガニのカニみそもおいしいのですが……カニみそといえば、毛ガニがひと際おいしいといわれています。毛ガニならではの濃厚でコクのあるカニみそは、カニが大好きな方にはもちろん、カニみそが苦手な方でもおいしく食べられるといわれており、非常に人気が高いです」

――ズワイガニと毛ガニで、みその色が違うのはなぜですか？

「カニみそは脳みそと誤解されることが多いのですが、中腸腺という消化器官です。そのため、カニが食べるエサによって色が変わる傾向があります。魚介類を多く食べる毛ガニのカニみそは、オレンジ色や黄色に近くなります。一方、海藻類を多く食べるズワイガニは緑や黒に近いような色になる傾向があるのです」

――なるほど。そんなカニみそですが、おすすめの食べ方は？

「ボイルされたカニのみそを、そのまま味わうだけでも十分おいしいですが、カニみそがついた状態の甲羅を網にのせて焼く『甲羅焼き』は、通だけが知るおいしい食べ方です。また、カニみその濃厚な味わいはお酒とも相性がいいので、冬ならではのお酒のおともにも」