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障害を持った長男が第2子誕生で見せた想定外の行動 美馬アンナさんが挑む2人の子育て
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プロ野球・千葉ロッテの美馬学投手と俳優・アンナさん夫妻、そして4歳の愛息・ミニっちは、2023年8月に新たな家族を迎えました。第2子となる長女・ひめっちです。弟や妹が誕生するとき、両親が気になるのが年上の子どもたちの赤ちゃん返り。ですが、幸運にもミニっちには赤ちゃん返りは起こらなかったそう。後編では、家族の助けで保つ愛情のバランスについてお伺いします。
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満たされている長男が発した「僕がお手伝いしてあげるからね」の言葉
先日、アンナさんと子ども2人で家にいたときのこと。ワンオペで座る間もなく大忙しだった1日の終わりに、子どもたちを寝かしつけていたアンナさんは愛息からの言葉に心が温かくなったといいます。
「ずっと動きっぱなしだった私を見ていたんでしょうね。『ママ、一人だと忙しくて大変でしょ。僕がお手伝いしてあげるからね』って。『え~ママ、超うれしいんだけど!』って抱きしめました(笑)」
美馬家では妹が生まれた後も、ここまでミニっちに赤ちゃん返りの気配はないそうです。それというのも、夫はもちろん、自身の両親など家族の手厚いサポートがあるおかげ。「私一人で家事・育児をしていたら、息子まで手が回らなかったと思います」と言葉を続けます。
「4歳にもなれば、多少放っておいても自分で何でもできてしまう。でも同時に『ママ、見て』『これ一緒にやろうよ』と気を引きたい、話を聞いてもらいたい時期でもある。私が一人だったら余裕がなくて、その欲求に応えてあげられなかったと思うんです。出産した8月は野球のシーズン真っ只中で夫が家を留守にしがちだったので、2か月ほど実家に滞在し、その後は自宅に母が来て、泊まり込みでサポートしてくれました」
夫妻には妊娠中から決めていたことがあります。それは「必ずミニっちファーストでいこう」ということ。自我の確立した息子に「妹が生まれたから、みんなが自分をかまってくれなくなった」と感じさせたくなかったからです。
「4、5歳ってとても難しい年齢というか……。自分のことは自分でできるけど、心のケアも大事な時期。私が娘に掛かりきりでかまってあげられなかったら、『妹が生まれたせいだ』と嫌いになる理由になりかねない。私たちにとってはどちらも等しく愛おしい子どもなので、それはあまりに悲しすぎる。そこで母には息子のケアをお願いしました。常に心や欲求を満たしてくれる存在がいたことは、息子にとって相当大きな意味があったと思います」
自分の心が満たされているときは視野が広がり、他者への気配りや心遣いができるようになるのは大人も子どもも変わりません。冒頭で紹介したミニっちによる言葉は、まさに満たされている証拠。そのほかにも「くさいとダメだから」と妹を気遣い、顔拭きガーゼも洗ってくれるなど、素敵なお兄さんぶりを発揮しているそうです。