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日本の伝統的な仕事着にフランス人が感動 街の洋品店で発見したものとは 「デザインが素敵!」

公開日:  /  更新日:

著者:豊嶋 操

ほかにも気に入ったアイテムが

 割烹着も買ったし、やれやれ一段落……と洋品店を出ると、ご一行は隣の作業服店の軒先をじっと見つめて動かなくなりました。次は、何が彼女たちの購買欲スイッチを押してしまったのか……と彼女たちの視線の先に目をやると、建設現場で多用されているニッカポッカでした。

 建設会社の知人によると、あの特徴的な形にはいくつか重要な意味があるそうです。まずは危険察知機能。裾に向かって広がるあの形によって、強風や障害物を察知できるとのこと。

 次に、汗をかいても生地が体に張りつきにくく、温度の調整機能があるそうです。さらには、余裕のあるズボン幅により関節が動かしやすい、高所でバランスが取りやすいなどの利点も。

「高所で働く方々には必須の機能満載なんですよ」と利点の数々を伝えると、「高性能のカーゴパンツのようだ」とますます気に入っていただけました。

「日本の製品っていろいろと細かい目的があるのねぇ」と感心

UVカットのアームカバー(写真はイメージ)【写真:写真AC】
UVカットのアームカバー(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 ところで、彼女たちは最初の洋品店で、私の知らないうちにあるものを買っていました。

 商店街に行った翌々日、キッチンスタジオを借りて和食の調理体験が。この日は天ぷらを作る予定でした。彼女たちはさっそく、洋品店で購入した割烹着を着用していたのですが、なぜか袖先が黒になっています。

「今日は揚げ物を作るって聞いていたから、肘先は二重にカバーするのがいいかと思ってこれも買ってみたのよ」

 そう言う彼女の袖口から覗いているのは、日除け用の黒いアームカバーでした。そこで本来の用途を伝えると、「昨日も思ったけれど、日本の製品っていろいろと細かい目的があるのねぇ」というご返答。

 とにもかくにも、割烹着の下に日除け用アームカバーをし、腕の保護は万全の態勢で天ぷらにチャレンジすることになったのでした。

【参考】
「1882(明治15)年創立の赤堀割烹教場における調理教育と女性の活躍」今井美樹學苑845,42-57,2011-03-01

(豊嶋 操)

豊嶋 操(とよしま・みさお)

全国通訳案内士・医療通訳・薬剤師。医療系出版社に勤務後、通訳案内士となる。プライベートツアーや企業視察時のガイドだけでなく、国内外テレビ局の日本紹介番組にて通訳を担当。『ニッポンおみやげ139景(KTC中央出版アノニマ・スタジオ)』を出版後、TBSラジオ出演。現在はガイド・ツアープロデューサーとして活動の傍ら、「美食地理学」の構築にも取り組んでいる。