海外からの旅行客にとって日本の魅力とは何でしょうか？　食事やアニメ、歴史、文化、人々の優しさや慎ましさを挙げる人もいます。一方、新婚旅行でスペインからやってきたジャウメさん、ミリアンさんは意外な部分に目をつけていました。詳しい話を聞きました。

　◇　◇　◇

観光地や食事だけでない日本の魅力を強調

　ジャウメさん、ミリアンさんは3月に結婚。バルセロナ近郊からハネムーンで日本にやってきました。

　2週間にわたり、全国各地の観光名所を訪れました。今年は桜の開花が遅かったため、目当ての一つだった“満開の桜”は見ることはできませんでしたが、それでも行く先々で日本の美しさに息をのんだそうです。

　特に印象的だったのが、岐阜・高山です。訪れたときは雪が積もっており、日本アルプスの景観も併せて心を奪われたそう。スペインではピレネー山脈やシエラネバダ山脈が似ていると言いますが、また違った趣を感じたようです。

　もちろん、寿司やラーメン、しゃぶしゃぶなどの食も堪能し、大満足の表情でした。

　異国を観光をするとき、旅の目的は何なのか、明確にしてからスケジュールを立てるでしょう。

　例えば大阪なら大阪城やユニバーサルスタジオジャパン、京都なら金閣寺や嵐山とだいたいの観光スポットをピックアップ。そこに食の名物があればランチやディナーに組み入れます。

　一方、ジャウメさんは、そこに向かう“過程”も忘れられない思い出になりました。

「もう一つ好きなのは、新幹線体験です。とても良い電車ですよ」

　東京と大阪を結ぶ東海道新幹線が、観光地に匹敵するほどの魅力を放っていたというのです。

　実は交通手段というのは、その国独特のシステムです。見たこともない電車、乗ったことのないタクシーやバス。さらにパトカーや消防車、ゴミ清掃車などのはたらくくるままで、乗り物好きでもそうでなくても、おおいに異文化を感じ取れるフィールドです。

　ジャウメさんが新幹線を気に入ったのは、特別な理由もありました。

「僕は背が高いので、座席のスペースが広いのはとても快適でした」

　総じて欧米人は日本人より身長が高く、飛行機でも身を小さくしている姿を見かけることがあります。

　大柄なジャウメさんは「僕が移動するときの問題は、膝が前の座席の後ろについてしまって窮屈な思いをすることです」と告白。ミリアンさんも、「通常、彼はうまく乗ることができません」と苦笑しました。

　ところが、新幹線にはそんな不安を打ち砕かれたと言います。

「新幹線では足も伸ばすことができました。スマートフォンも充電できましたし、別の都市に移動しながら食事をすることもできます。眠くなれば寝れるし、僕は新幹線での旅行が大好きです」とジャウメさんは絶賛しました。