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海外の高速列車は「日本の新幹線と肩を並べることはできない」 英国人記者が断言する理由

公開日:  /  更新日:

著者:マイケル・チャーチ

世界に誇るべき日本の新幹線の魅力とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】
世界に誇るべき日本の新幹線の魅力とは(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 旅行シーズンが到来。今年は新幹線を利用して、ちょっと遠出してみようと考えている人も少なくないでしょう。正確な時刻で運行し、安全に目的地まで連れていってくれることは日本人にとって当たり前になっていますが、海外から見ると驚くべきことのようです。元PAスポーツ通信アジア支局長で英国人記者のマイケル・チャーチさんが、日本の新幹線の素晴らしさを綴ります。

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モダンな車内と車窓の向こうに広がる田舎の風景が魅力的

 日本を訪れる外国人観光客には、帰国するまでに絶対にやっておきたいことのリストがあると思います。なかでも「新幹線に乗る」ことは、多くの人にとって日本でやりたいことリストの最上位に位置する共通事項でしょう。

 なめらかな流線型の素敵なボディと、気づかないうちに時速300キロ近く加速しているクールなスピードだけが理由ではないのです。

 完璧な鉄道網と安全性、そしてモダンな車内と車窓の向こうに広がっていく日本の田園や豊かな自然など、田舎の風景のコントラストは日本を訪れる誰にとってもあまりに魅力的なのです。乗り心地の良さを味わいながら、訪問者はそれぞれの母国の高速鉄道と比較するかもしれません。

すべてを完璧に満たしてくれる新幹線

 日本の技術力の象徴である新幹線ですが、ライバルと言える存在はあるのでしょうか。私も各国の高速鉄道の旅をしてきましたが、フランスのTGV(テジェヴェ/Train a Grande Vitesseの略)、ドイツのICE(イーツェーエー/InterCity Expressの略)は素晴らしいクオリティです。中国の最新の高速鉄道も、スピードという部分では引けを取りません。

 しかし、残念ながら、どの高速列車も日本の新幹線と肩を並べることはできません。美しい車体や車内でのおもてなし、素晴らしい加速とスムーズな乗り心地、そしてタイムテーブルと寸分違わぬ日本人らしい時間の正確さ。そのすべてを完璧に満たしてくれる新幹線には、一分の隙もないのです。

 英国や米国、オーストラリア、イタリアでは、列車の遅延がアナウンスされることはよくある話で、急いでいたら頭をかきむしりたくなる衝動に駆られるかもしれません。

主要都市を美しいまでにつなぎ合わせているのも日本の新幹線ならでは

 新幹線へ乗車した外国人の頭に浮かぶ疑問はひとつです。なぜ日本には新幹線があるのに、我々にはないのか? 憧れ、いや、嫉妬の感情に近いかもしれません。

 外国人が嫉妬を抱くのも当然でしょう。日本が島国という事情は分かっていますが、新幹線は主要都市を美しいまでにつなぎ合わせています。到着時間が多少の差であれば、空港までの移動が煩雑な飛行機移動よりも新幹線に乗りたいという誘惑に勝つ自信が、私にはありません。

 また、高速走行時に感じるスムーズさはあまりに絶妙で、ゴミひとつない車内の清潔さも折り紙付き。さらに、外国人観光客にはお得な価格で新幹線を利用できる恩恵があるのです。JRが提供している「ジャパン・レール・パス」のおかげで、日本での旅行の日々を低価格で満喫することができます。

ホームに現れる瞬間、思わずカメラを向けたくなる美しさ

 私のお気に入りの瞬間のひとつは、新幹線がホームに現れる瞬間です。優雅さと美しい威厳を漂わせる白い車体には、いつだって心が躍ります。私は鉄道オタクではありませんが、携帯電話のカメラを思わず向けてしまうのです。

 私が直近で日本を訪れたのは、家族旅行でした。そのときは7歳の娘も新幹線に大興奮。私の新幹線への愛情を娘に継承することができたと思います。

 クールな機能性、車体の美しさ、時間の正確性……。新幹線は、日本人が世界に送り出した傑作だと思います。

(マイケル・チャーチ)

マイケル・チャーチ(まいける・ちゃーち)

キャリア30年を誇る英国人ジャーナリスト。英PAスポーツ通信のアジア支局長などを歴任し、サッカーのワールドカップ7大会連続取材。コラムニストとしても各国で活躍中。