Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

「私の居場所は日本じゃないかって…」 フランス人女性YouTuberが日本に興味を持ったワケ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部・出口 夏奈子

満開の桜の木の下で記念撮影をするアマンディーヌさん【写真提供:アマンディーヌ】
満開の桜の木の下で記念撮影をするアマンディーヌさん【写真提供:アマンディーヌ】

 日本人の夫・ゲントクさんと一緒に、登録者数60万人を超える大人気YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」を運営しているフランス人のアマンディーヌさん。動画では、外国人とは思えない流暢な日本語で多くの視聴者を驚かせています。フランスで生まれ育ったものの、「赤ちゃんの頃から日本語に触れて育った」と話しますが、どんな幼少期を過ごしたのでしょうか。日本との出合いについて伺いました。

 ◇ ◇ ◇

歳が離れた兄の影響で日本に興味

 母国・フランスには「10歳も歳が離れた兄がいる」というアマンディーヌさん。子どもの頃から仲が良かったお兄さんは、日本が大好きだそうです。

「アニメはもちろんですが、ドラマを観たり、音楽を聴いたり、日本の観光ガイドブックも持っていました。なので赤ちゃんの頃から、兄が観ていたドラマ、聴いていた音楽、読んでいた本や日本の景色とかを見聞きしていたので、日本のイメージがずっとありました。フランスにいながら、自然と日本に囲まれて育った感じだったんです」

 当時はまだ現在のようにサブスクが盛んだったわけでなく、動画や音楽など、日本の情報を簡単に入手できる状況ではありませんでした。しかし父親が、日本が大好きなお兄さんのために、日本の情報が詰まった雑誌を毎月取り寄せてくれたそうで、そこについていたDVDなどから日本の情報を得ていたそうです。

「あとはYouTubeですね。兄が日本の番組の切り取り動画などを観ていたので、それを一緒に観ていました」

 アマンディーヌさんが話す日本語は、日本語の抑揚や語尾のイントネーションがとても自然です。幼い頃から日常的に生の日本語に触れていたためか、とくに発音の特訓をしたわけではなく、「気づけば身についていました」と話します。

 日本語の読み書きについては小学4年生の頃に、お兄さんが持っていた日本語の教科書を使ってひらがなとカタカナを独学で覚えたといいます。ただし、「文法だけは難しくてわからなかった」そうで、中学生になると日本人の先生から教わるようになり、本格的に日本語を学び始めました。

16歳で初めて日本へ 問題なく日本語を話し、日本語が聞き取れた

 フランスで、“日本漬け”の毎日を過ごしていたアマンディーヌさん。気がつけば、周りの子どもたちとなじめなくなってしまい、学校ではいじめの経験も。「私の居場所はフランスじゃなくて、日本なんじゃないか」などと思うようになったそうです。日本を知れば知るほど、「将来は絶対に日本に住みたい」と強く思うようになったと振り返ります。

 初訪問のきっかけは、アマンディーヌさんが“勝手に”日本にある語学学校を調べて見積もりを取り、ホストファミリーを探してお父さんに逆提案をしたことでした。

 そして、高校1年生の夏、16歳になったアマンディーヌさんは晴れて日本にやってきました。神戸にある語学学校のサマースクールに通いながら、1か月間、ホストファミリーの家でお世話になることに。15歳ですでに日本語能力試験3級に合格していたアマンディーヌさんは、語学力に不安はなかったそう。

「自慢じゃないですけど、普通に日本語は通じました。フランスで先生と一緒に日本語を学んだことって、無駄じゃなかったんだなと気づきました」

 初日に受けたテストの結果、語学学校では一番上の上級者クラスに。来日当初から、問題なく日本人と日本語で意思疎通ができていたそうです。

◇アマンディーヌ
フランス生まれのフランス人。10歳以上も歳の離れた兄の影響で、1歳の頃から日本のドラマや音楽を観聴きし、情報や文化に触れ、日本に興味を持ち始める。2015年、16歳のときに1か月間、ホストファミリーの家で暮らしながら日本の語学学校に通う。その後、2018年に日本の大学へ1年間の交換留学。そこで、のちに夫となるゲントクさんと出会い、結婚。2021年に、夫のゲントクさんと一緒にYouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」を開設。現在は、登録者数59万人超を誇る大人気チャンネルに成長している。

(Hint-Pot編集部・出口 夏奈子)