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「日本の生徒はとても利口で、静か」 外国語指導助手のニュージーランド人が明かす印象 自身の日本語失敗談とは
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世界からみた日本人の印象について、「穏やか」「親切」「礼儀正しい」などといわれるのをよく耳にします。外国語指導助手として日本で働いて2年になる、ニュージーランド人の女性は、実際に日本人の子どもたちと接してどのようなことを感じているのでしょうか。
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高校時代の交換留学で「日本に住んでみたい」と真剣に思うように
日本で暮らし始めて2年余りになる、ニュージーランド人のアナさん。アナさんが日本へ興味を持つきっかけになったのは、語学堪能な叔母が譲ってくれた日本語の参考書。中学生の頃から日本語を学び始め、高校では日本語クラスを履修しました。
「当時、私が住んでいた地域で日本語の授業をしていたのは、母校だけでした。日本人のクラスメイトもいませんでしたし、珍しかったと思います」
高校在学中には交換留学生として訪日し、栃木県で5か月間を過ごしました。そのときにホストファミリーから温かく迎えられ、「人が温かく、暮らしやすい」と思い、「日本に住んでみたい」と思うようになったといいます。
その後、ニュージーランドで大学に進学し、教育学を学んだアナさん。日本で外国語指導ができるJETプログラム(The Japan Exchange and Teaching Programmeの略で、語学指導などを行う外国青年招致事業)に参加しました。コロナ禍だったため、応募から訪日までは2年かかったそうですが、念願叶い今では日本の生活を満喫しています。
「日本では誰も手を挙げないんです」 アナさんの考察とは
そんなアナさんは現在、外国語指導助手として日本の中学校と高校で英語を教えています。「ニュージーランドの生徒と比べても、日本の生徒はとても利口で、静かですね」とアナさん。とくに違いを感じるシーンがあるといいます。
「たとえば、『質問がある人?』と聞いても、日本では誰も手を挙げないんです。でも、顔を見れば、『あー、わかっていないな』とわかるんです。恐らく日本の学校教育では、質問をすることは、自分ができないことをアピールするような感覚があるのではないでしょうか」
一方、ニュージーランドでは、「バカげた質問など存在しない」という共通認識があると話します。
「ニュージーランドの生徒たちは、もともと騒がしいんです。高校生でも統制がとれないぐらいです。日本とニュージーランド、どちらが良いか悪いかではなく、学びのスタイルが違うと感じますね」
ニュージーランド人女性が日本の子どもたちへ贈るメッセージ
そんなニュージーランドで生まれ育ったアナさんは、「私なんて、いまでも本当にバカげた質問ばっかりしていますよ」と教えてくれました。
「どうして『おはようございます』はOKなのに、『おはようございません』はダメなんですか? と同僚の日本人の先生に聞いたところ、大笑いされてしまいました」
「おはようございます」は「おはよう」の丁寧語で、「お早く」から転じたといわれています。同僚からは英語だと「Early Today」という意味だと説明を受けて、アナさんは納得したそうです。「こんにちは」や「こんばんは」には、敬語がついていないのも難しいポイントですよね。
「こうやって間違えながら学んでいくんですよね。日本人の子どもたちはもっと分からないことを恥ずかしがらなくていいと思います」
少々シャイな日本人の子どもたちに、自身の失敗談を交えながらエールを送ったアナさん。これからグローバル化していく将来のためにも、積極的に質問をする癖をつけていったほうがいいのかもしれませんね。
(Hint-Pot編集部)