カルチャー
「どうしていつも真ん中にあるの?」 駅弁を気に入ったフィンランド人夫婦 ぜひ作ってみたいと思ったものとは
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初夏に訪日する外国人は、空港を出て空気が湿気を帯びているのを感じると、アジアに来たなぁと思うそうです。そして、今年も梅雨シーズンがやってきました。外国人観光客を日本各地へガイドする、通訳案内士の豊嶋操さんよる連載「ニッポン道中膝栗毛」。今回はフィンランドから来た夫婦が食事中に気になった、日本の食卓に欠かせない“あの実”についてのお話です。
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フィンランドの夫妻が気になった、駅弁でよく見る“赤い実”
フィンランドからお越しのご夫婦とのツアーでは新幹線での移動が何度かあり、その都度駅弁を買って楽しんでいました。2回目の新幹線移動中に、駅弁ランチをご一緒したときのことです。
「この“赤い実”、前回は食べなかったんだけど、どうしていつもごはんの真ん中にあるの?」とご主人から聞かれました。その“赤い実”とは、梅干しのこと。奥様もお箸で持ち上げながら、「ああっ、また白いごはんが赤くなっている! これって大丈夫なの?」と少々不安そうです。そこで、梅干しが梅の実の加工品であることなどをひと通り説明し、ごはんは梅干しの色が移っただけで問題ないことをお伝えしました。
「けっこう酸っぱいですよ」
最後に私が伝える前に、ご主人がシワの寄った梅をひとくちでパクッ……。すると、ご主人の口の周りも急激にシワシワになってしまいました。ちょっと私の説明が遅かったようです。ごめんなさい。
口直しに急いでお茶を飲んでいただき、一段落。遅まきながら「なぜ梅はいつもそこに?」の謎をお話しすることになりました。