Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

海外ニュース

「便利な日本が恋しくなるのは言うまでもありません」 フランスのゴミ事情に驚きの連続 日本人女性が明かす不便な点とは

公開日:  /  更新日:

著者:Moyo

フランスでは、生ゴミはコンポストへ(写真はイメージ)【写真:Getty Images】
フランスでは、生ゴミはコンポストへ(写真はイメージ)【写真:Getty Images】

 日本とヨーロッパのゴミへの取り組み方を比べると大きな差がありますが、ヨーロッパのなかでもその姿勢はさまざま。ひょんなことからイギリスに移住、就職し、海外在住歴7年を超えたMoyoさんが外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第38回は、イギリスからフランスに引っ越して気づいたゴミにまつわる話を紹介します。

 ◇ ◇ ◇

フランスの大まかなゴミ分類

 前回のイギリスでのゴミへの取り組み方に続き、今回は私が現在住んでいるフランスの事情を取り上げてみたいと思います。フランスでの居住歴はまだ浅いので、十分に把握しているわけではないですが、感覚としてはイギリスよりもさらにさっぱりめ。ですが、これまで経験したことのないルールや制度に、若干戸惑うこともあります。

 フランスでは、日常生活から出るゴミの種類は基本的に一般ゴミ、リサイクル(資源ゴミ)、フードウエスト(生ゴミ)の3種類に分けられます。そのうち、一般ゴミとリサイクルについては、同居人数によって定められている規定サイズのゴミボックス(3~4人までなら80リットル。7~8人まで、お店は140リットルなど)が、自治体から配布されます。ゴミの回収方法はイギリスと同じで、決まった曜日にゴミが入ったボックスを自宅前などの道路に並べておくと、回収してくれます。

義務化されたフードコンポスト

フランスで生ゴミに入れていいものとダメなもの(画像はスクリーンショット)
フランスで生ゴミに入れていいものとダメなもの(画像はスクリーンショット)

 イギリスと大きく異なるのは、フードウエスト(生ゴミ)の処理方法。ニュースなどで目にしたことがあるかもしれませんが、フランスでは2024年1月1日から、フードウエスト(生ゴミ)を自宅に設置したコンポストもしくは街中の回収ボックスで廃棄することが義務づけられています。これまで一般ゴミのうちの約30%が生ゴミで占められていたことを背景に、徐々にコンポストへの取り組みを普及させていたようですが、ついに義務化されました。

 そのコンポストも、自宅に置くタイプや外に放置するタイプなどさまざま。自宅内に置けるタイプとしてよく聞くのは、ミミズを土に混ぜた「ミミズコンポスト」。そこまで大きくないフタ付きのボックス(51cm×38cm×61cmなどで約250リットル)に、土とミミズを用意するだけ。ミミズが生ゴミを食べて分解してくれるおかげで、良質な堆肥ができ、さらに臭いが出ないのが特徴のようです。

 一方で、庭付きの一軒家などでは、庭に大きなサイズのコンポストを置いているのをよく見かけます。一般的なのはフタ付きの木製ボックスタイプ。サイズ80cm×80cm×70cm(約320リットル)が40ユーロ(約7000円)くらいで買えます。土などを混ぜておき、生ゴミが出たらこのボックスまで運んで捨てるだけです。

 では、庭のないアパートに住んでいる場合はどうなるのでしょうか? 現在、アパート住みの私はというと、小さめのコンポストをキッチンに備え、溜まったら街中の回収ボックスへ捨てに行く方法をとっています。

 この街中のボックスへ捨てに行くのが、なかなか厄介です。夏は炎天下で蒸した回収ボックスを開くのは、なかなか勇気がいります。臭いも虫もぷーんと、けっこう強烈です。イギリスに住んでいたときはフードウエストも回収されていたので、そのありがたさに改めて気づくことも。