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「『いらっしゃいませ』も『らっしゃせー』だし」 日本語に苦戦する外国人 日本で習いたいスポーツとは
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スポーツは国境を超えるといいます。機械系工学を勉強するために日本へやってきたスリランカ人は、母国で習った経験がありながらも、本場の「日本で日本人から習ってみたい」という日本発祥のスポーツがあるといいます。それはいったい、どんなスポーツなのでしょうか。
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教科書と実際の日本語は「違いすぎる!」
スリランカから4か月前にやってきたというアキラさん。母国では機械系工学の勉強をしており、語学習得後は日本の自動車製造業やバイク製造業に就くことを志しているそうです。現在は日本語学校に通いながら、飲食店と運送業の2つのアルバイトをかけもちして働く日々を送っています。
アルバイト先でも、苦労が多いのはやはり「日本語」です。
「日本語がわからないので、けっこう大変ですね。飲食店では、日本語がつたなくてお客さんや同僚とコミュニケーションがうまく取れなかったり、お昼や夜の忙しい時間にパニックになってしまったりすることもあります」
その理由のひとつに、お客さんとの会話の中で使う日本語が、教科書通りではないことが挙げられます。
「飲食店と運送業のどちらにも言えることですが、教科書で習う日本語と実際の日本語が違いすぎる! 『いらっしゃいませ』も『らっしゃせー』だし、お客さんに『ありがとう』と言われて『どういたしまして』と言ったら『それは違うんだ』と同僚に言われました」
日常会話となると、使う場面や相手によってくだけた言い方になったり、返答の仕方が異なったりします。日本人は自然に使い分けていていても、日本語を勉強中の外国人が理解するのに苦労するのは、想像にかたくありません。
しかし、「教科書通りに言ったつもりだったんですが、まだまだ勉強が足りませんね(笑)」とポジティブなアキラさん。学ぶことへの前向きな姿勢に脱帽です。
学校の授業がきっかけで習い始めた
そんなアキラさんには、母国スリランカでも習っていた日本発祥のスポーツがあるといいます。
「スリランカで柔道を習っていたので、日本でも続けたいと思っています。スリランカで人気のスポーツはクリケットで、柔道はそれほど盛んではありませんが、五輪には毎回、スリランカのチームも出場していますよ。学校で授業があり、習ったことがきっかけで好きになりました」
柔道は日本発祥の格闘技ですが、今では世界的に普及しているスポーツのひとつです。始まりは明治時代。今では“柔道の父”と呼ばれている嘉納治五郎氏が創始したことからといわれています。戦後は海外への普及も進み、1964年の東京五輪で初めて男子の正式種目として採用され、1992年バルセロナ大会からは女子の正式種目となりました。
「スリランカでは、スリランカ人のコーチに教えてもらっていました。しかし、日本発祥のスポーツなので、やはり日本で日本人のコーチに教えてもらいたいです。日本での生活に慣れたら始めたいと思います」
日々、日本語の勉強やアルバイトで忙しいながらも充実している様子のアキラさん。日本で柔道を習う日は遠くなさそうですね。
(Hint-Pot編集部)