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「スペインで食べるともっと高い」 安さとバリエーションの豊富さに驚き スペイン人が一番気に入った日本食とは

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著者:Hint-Pot編集部

スペイン人の(左から)“タマコ”さんとデイビッドさん【写真:Hint-Pot編集部】
スペイン人の(左から)“タマコ”さんとデイビッドさん【写真:Hint-Pot編集部】

 世界的に評価されている日本食。食を楽しむために、日本を訪れる外国人観光客も少なくありません。今回話を聞いたスペイン人もまた、日本での食体験を求めて日本にやってきました。「得意ではない」食材があっても、彼らの心を動かした日本のグルメがあったそう。それはいったい、なんだったのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

カナリア諸島から「来た甲斐がありました」

 初めて日本を訪れている、スペイン人のデイビッドさん。左にいるのは親友の“タマコ”さん(愛称)で、本名はなんとデイビッドさんなのだそう。ふたりは学生時代からの友人で、20年来の仲だといいます。

 ふたりは、モロッコ沖に位置するスペイン領カナリア諸島からやってきました。カナリア諸島から日本への直行便はないため、飛行機を3回乗り継いで来たそうです。しかも、計17時間も飛行機が遅延するハプニングも。

 大変な路程を乗り越え、日本にたどり着いたふたりですが「それでも来た甲斐がありました」と、うなずき合いながら満足そうに笑って教えてくれました。

種類の多さに驚き 外国人に一番人気の日本食

 日本への渡航の決め手は「まず食事が大きな理由のひとつです」というほど、日本での食体験を楽しみにしてきたふたり。そんなふたりが気に入った日本食について聞きました。

「一番おいしいと思ったのは握り寿司! マグロにトロ、最高です! カナリア諸島にももちろん日本食レストランはあります。そこで寿司も食べられるのですが、日本のほうがおいしいのはもちろん、スペインで食べるともっと値段が高いです」

 農林中央金庫が訪日外国人1200人を対象に行った、2023年「訪日外国人からみた日本の“食”に関する調査」によると、最もおいしかった日本の料理の1位は「寿司」(19.4%)。2位の「ステーキ・焼き肉」(9.2%)に大きく差をつけて選ばれました。ほかの料理に関する設問でも寿司が圧倒的1位に輝いており、デイビッドさんたちもこの例に漏れずお気に召したようです。

 寿司のおいしさや価格の安さに驚いたふたりでしたが、ほかにも驚いたことがありました。

「カナリア諸島で食べられる寿司は、種類がベーシックなものしかないんです。マグロ、サーモン、エビ。そのくらいでしょうか。日本は種類がたくさんありますよね。カナリア諸島にウニはないし、イクラもなかなか見ることがありませんね」

 日本には、地域や旬によってさまざまな寿司ネタがあります。また、同じマグロでも「赤身」「中トロ」「大トロ」など、ひとつの魚でいろいろな部位を楽しめるのも特徴です。さらに、あぶりや漬けなど、魚の種類や部位によって調理の仕方や味つけを変えています。そのため、ネタの種類を挙げたらきりがないほど、日本の寿司はバリエーションに富んでいるのです。

 最後に、「僕はそんなにウニは得意ではありませんでした(笑)」とこっそり教えてくれたデイビッドさん。苦手な食材があったとしても、違うネタならおいしく食べられる――ネタのバリエーションの豊富さが、訪日外国人に寿司が広く受け入れられている理由のひとつかもしれませんね。

(Hint-Pot編集部)