Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

日本の食文化に感激するドイツ人カップル 自国には「1種類しかない」寿司ネタとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

皇居外苑で出会った(左から)ドイツ人のアリさんとアーロンさん【写真:Hint-Pot編集部】
皇居外苑で出会った(左から)ドイツ人のアリさんとアーロンさん【写真:Hint-Pot編集部】

 訪日する外国人観光客の多くが、“本場”日本で食べたいと思う和食の代表格である寿司。いまや海外でも食べられるようになっていますが、皇居外苑で出会ったドイツ人は、自国の寿司との違いにとても驚いたといいます。いったい、どのような点が異なっていたのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

「日本で寿司を食べてわかった」こと

 東京の真ん中ともいえる場所に、美しい木々の緑が広がる皇居。その外苑は、多くの人の憩いの場所として、国内外の観光客が訪れる人気スポットになっています。そこで出会ったのが、初来日したドイツ人のアーロンさんとアリさんカップルです。

 日本で一番おいしいと思った食べ物が、寿司だと話したアリさん。築地の本格的な江戸前寿司店だけでなく、街中の売店で手頃に買える寿司もおいしかったそう。“本場”のレベルの高さとコスパの良さに感心していました。

 一方、アーロンさんには「日本で寿司を食べてわかった」ことがあるといいます。それは、種類の豊富さ。同じ魚でも部位や調理法で細かく分けられていることに、とても驚いたそうです。

「なんで日本はこんなにマグロの種類が多いんだ! ドイツには1種類しかなくて、マグロはマグロなんだ」

 現代の握り寿司の原型ができたのは江戸時代。冷蔵・冷凍技術がなかったことから、寿司ネタとしてのマグロは基本的にヅケと呼ばれる、しょうゆベースのタレに漬け、保存の工夫をしたものだったといわれています。

 その後、冷蔵・冷凍技術が進むなかで、生食には適さなかったトロの部分も刺身や寿司ネタとして食べられるように。さらに、赤身以外にも中トロ、大トロといった部位ごとの寿司ネタのほか、ネギトロやトロタクなどの食べ方も誕生しました。

さまざまな部位や食べ方が楽しめるマグロの寿司【写真:Hint-Pot編集部】
さまざまな部位や食べ方が楽しめるマグロの寿司【写真:Hint-Pot編集部】

 アーロンさんを驚かせた、寿司ネタとしてのマグロのバリエーションの豊富さ。これは、おいしく食べる工夫を施し、食材を余すことなく利用する日本の食文化を知るうえで、とても良い例といえそうです。

 約1か月かけて京都や大阪など、日本各地をめぐる予定だというふたり。寿司以外にもさまざまある、その土地ならではの食文化も楽しんでくださいね。

(Hint-Pot編集部)