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「散るときまでが美しい」 フランス人が日本の花火に感動 母国との違いとは
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夜空に大輪の花を咲かせ、はかなく消える美しい花火。夏の風物詩ですが、秋祭りなどのイベントや年越しを祝って打ち上げることも。YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonsoirTV」が人気を博しているフランス人のアマンディーヌさんは、訪日中のお母さんを連れて、山形県内の花火工場を訪れました。日本の花火に、お母さんはどんな反応をしたのでしょうか。
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日本とフランスで花火大会に大きな違いが
アマンディーヌさんの住む山形県酒田市では、大雨の影響で、今年の花火大会が中止になりました。花火を見られなかった人に加え、日本の花火を見たことのないお母さんのため、今回の企画を考えたアマンディーヌさん。秋祭りの小さな花火大会で打ち上げる花火のデザインをするため、お母さんと一緒に県内唯一の花火工場・安藤煙火店を訪れました。
「日本の花火は技術が高いイメージがありますが、どうですか?」とアマンディーヌさんが質問すると、店主の安藤さんは、欧米と日本の花火との違いをわかりやすく説明してくれました。
「欧米の花火は、全体のプログラムを見て楽しむっていうのが大きいと思うんですけど、日本の場合だと一発の花火を見せるというのが、非常に長けていると思います」
また、アマンディーヌさんはフランスの花火について、15分ほどの間に一気に打ち上げて終わると紹介。日本の一般的な花火大会が1~2時間ほどかけて楽しむと知ったお母さんは、「1時間かかるの!?」と驚きの声を上げました。
日本の花火大会のほとんどが、夜7時半から9時頃に開催されることが多いと安藤さんが話すと、「早いですよね」とアンディーヌさんはポツリ。
日照時間の違いから、フランスは午後11時頃まで暗くならないそうで「フランスって夜の12時か1時じゃないと(花火を)上げられないんです」と説明します。すると、今度は安藤さんが「それは初耳だ」と驚きました。
「小さな緑のハートは娘、大きな紫のハートは母」
火薬や花火に色をつける素材などを聞き、ふたりで花火のデザインを相談。アマンディーヌさんの好きな緑色と、お母さんの好きな紫色でハートを描くことにしました。お母さんは「小さな緑のハートは娘、大きな紫のハートは母」と話し、母が娘を包み込むデザインです。
デザインを決めたあとは、ダミーの火薬を使った花火作り体験も楽しみました。
そして花火大会の当日は、まだ日のある時間帯に現場を訪れ、打ち上げ準備も見学。この日は75発の花火を上げる予定で、ふたりがデザインした花火はフィナーレの前に打ち上げると聞き、期待が高まります。
いよいよ花火が始まると、初めて見る日本の花火にお母さんは「美しい」「すごい」と声を上げ大興奮。「日本で花火が見られて本当にうれしい。日本の花火は一瞬だけでなく、散るときまでが美しい」と、感動の涙を流しました。
さらに、ふたりでデザインしたハートの花火が見事に成功。お母さんはアマンディーヌさんに抱きつき、「私のハート(娘)よ」と喜びを全身で表現しました。
美しい花火と素敵な母娘の様子に、コメント欄には「ママの涙にもらい泣き! 娘大好きなのをまっすぐ出してくれるの好き!」「たった75発の小さい花火大会、まさか泣かされるとは 感動ありがとう」「ママの心情が伝わってきてこっちまで泣けちゃう」「ママさんの気持ちわかる~これは泣いちゃうよ! とってもきれいでかわいいハートでした」などの声が上がり、感動する人が続出しています。
(Hint-Pot編集部)