からだ・美容
更年期世代が悩みがちな冷え ショウガだけではない 積極的に取り入れたい食養生とは
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気温がぐっと下がり、本格的な冬の到来です。寒気から体を守るため、とくに防寒対策や温活に取り組む更年期の人は少なくありません。更年期の女性の元気をサポートする、国際中医薬膳師のかみむら佳子さんによる連載。10回目は、更年期世代で悩んでいる人が多い「冷え」についてです。自分の冷えのタイプに合った食材を手軽に取り入れて、冬を快適に過ごしましょう。
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更年期の冷えはとくに下半身に出やすい
更年期の女性は、エストロゲンの減少が自律神経に影響するなど、病気ではないのにさまざまな不調が起こりやすくなるといわれています。冷えの症状もそのひとつです。体温の調節がうまくできずに、腰から下が冷える、ふくらはぎが冷たい、足先まで温まらないなど、若い頃はあまり気にならなかった冷えに悩む人もいるでしょう。
中医学において更年期は、閉経前後の「血」不足や、血流や自律神経の調整に深く関わる「肝」の働きが低下しやすいと考えます。全身に血を行き届かせることができなくなり、体が温まりにくくなるのです。また、全身を温めて一定の体温を保つ役割を担う「腎」は、加齢により働きが低下しがち。腎が弱ると、とくに下半身の冷えにつながります。
こういった冷えに対し、体の内側から温めて養生できる食材として、ショウガを思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、更年期に起こりやすい下半身の冷えや手足の冷えには、ショウガよりもシナモンのほうが、効果を期待できることもあります。
冷えのタイプによって異なる食養生
中医学では、不調の原因はその人の体質やタイプにあるととらえ、対処や養生を考えていきます。したがって、冷えに対する食養生といってもひとつではなく、冷えのタイプによって異なるのです。
やや専門的な話になりますが、中医学には、食材や生薬の持つ力が人体のどの部位(臓腑・経路)に作用するかを示す「帰経」という概念があります。シナモンは腎と肝に、ショウガは肺、脾、胃に帰経すると考えられています。
まず、自分がどの冷えのタイプなのかを把握しましょう。次に紹介しますので、シナモンが良いのか、ショウガが良いのか、取り入れる際の参考にしてください。