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「並んで待った甲斐があった」 イタリア人女性が夢中に 行列の先で出合った日本ならではの食べ物とは

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著者:Hint-Pot編集部

イタリア人のアントネッラさん【写真:Hint-Pot編集部】
イタリア人のアントネッラさん【写真:Hint-Pot編集部】

 気軽においしいものが食べられる日本ですが、人気グルメには人が押し寄せて、手に入りにくいことも。9年ほど前に日本を旅したイタリア人女性は、そんな行列店の味が今でも忘れられないといいます。初訪日で魅了された日本ならではの食べ物とは、いったいどんなものだったのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

「高い精神性を感じることができました」

 イタリアに住んでいるペルージャ大学元教授のアントネッラ・ドメニチさんは、2015年10月に、元イタリア鉄道会社エンジニアの夫・マッシモさんと日本に滞在。24日間で、東京や日光、鎌倉、箱根、飛騨高山、京都、広島など、全国各地をめぐりました。

 コースが決められたツアーに参加するのではなく、自分たちでリサーチをして、予定を立てていたというふたり。それぞれが興味を持つ日本の自然や文化、歴史などに触れ、思い通りの旅を楽しんだといいます。

「超近代的なモダンなところと、古い伝統が残っているところが、とても印象的でした。高層ビルや超ハイスピードな新幹線があるかと思えば、神社、仏閣、着物などのとても古い文化が残っていて、高い精神性を感じることができました」と振り返ります。

行列に並んで食べた忘れられない味

 テクノロジーと伝統的な文化、自然の風景などに加え、日本ならではのグルメも堪能したというアントネッラさん。そのなかで、とても気に入ったのは偶然出合った、日本の食べ物でした。

 街を歩いていると、見つけたのは長い行列。小さな店でしたが、たくさんの人が並び、あるパンが焼きあがるのを待っていたそうです。

「とてもいい香りがしたので、行列に並ぶことにしました。そこで売られていたのは、メロンパン。誰にも聞いたことがなかった食べ物でしたが、とてもおいしかったです」

 パン生地の上に甘いビスケット生地をのせて焼いた、日本発祥の菓子パンであるメロンパン。ビスケット生地のサクサク感と、中はふわふわの食感の違いも楽しめます。名前の由来は、表面のクッキー生地の模様がマスクメロンに似ている、「メロン型」で成形していた、「メレンゲパン」がなまったなど、諸説あるようです。

 昨今は外国人観光客にも人気ですが、果物のメロンが使われていないことに、最初は驚く人も。そんな日本ならでは菓子パンに夢中になったようで、「並んで待った甲斐があった、おいしさでした。今でも忘れられないですね」と、アントネッラさんは優しく微笑みました。

 昨今もブームがあり、さまざまなメロンパンが登場しています。また日本を訪れて、その味を存分に堪能してもらいたいですね。

(Hint-Pot編集部)