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「本当に美しかった」 イタリア人の長年の疑問 「灯籠のようでした」と絶賛した意外なものとは
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日本の歴史や文化、食などを楽しみに訪れる外国人観光客。日本人なら見慣れた景色の中にも、新鮮な印象を持ち、美を感じ取ることが多いようです。9年前に日本を訪れたイタリア人は、神社などで目にしたものに特別な美しさを感じたそう。いったい、どんなものを見たのでしょうか。
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「大都会で安全が保てるとは、大きな驚き」
イタリアの鉄道会社でエンジニアとして働いていたマッシモさん。ペルージャ大学教授の妻・アントネッラさんと、2015年10月に日本を訪れた経験があります。24日間の滞在で、東京や箱根、京都、奈良、金沢、名古屋、広島など日本各地をめぐりました。
滞在中は日本人の日常に触れ、驚きを覚えることもあったというふたり。アントネッラさんは、東京の地下鉄で制服を着た小学生を見かけ、子どもたちだけで通学していることに目を見張りました。
「大都会で安全が保てるとは、大きな驚きでした。ローマのようなところでは、まったく考えられないことです」と、イタリアとの違いに加えて、日本の治安の良さを実感したそうです。
「外側に何か日本語が書いてあり、とても美しい」
多くの地を訪れたマッシモさんたちですが、ツアーに参加するのではなく、事前にリサーチして旅の計画を立てたそう。興味を持っていた日本の自然や文化、歴史を心ゆくまで堪能できたといいます。
ただ、さまざまな場所で見た印象的な光景のひとつに、疑問が残っているそう。
「神社とかお寺に行くと、大きな樽があるけれど、あれはなんですか? 外側に何か日本語が書いてあり、とても美しい。灯籠のようでした。きれいに並べてられていて、本当に美しかったです」
マッシモさんが注目したのは、神社などに奉納・奉献される酒の菰樽(こもだる)です。お祝いの席での鏡開きなどで、実際に酒樽から日本酒を注いでもらったことがある人も、少なくないでしょう。
「お酒が入っているの? 日本酒はとてもおいしいですよね」と、マッシモさんは頬をゆるませます。しかし、参道やお社に並ぶ樽は飾り樽で、空の状態で奉納されるのが一般的です。
樽の表面には、銘柄のロゴなどが墨痕鮮やかにデザインされています。漢字のデザイン性の高さに魅力を覚える欧米人は少なくありません。マッシモさんは、それぞれに描かれた文字やあしらいを見て「美しい」と感じたようですね。
(Hint-Pot編集部)