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「自分の小ささを感じました」 イタリア人が感激した日本の光景 45年を経ても記憶に残っているものとは
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雄大な自然や悠久の歴史を感じるものを目にすると、自分の存在をちっぽけに感じてしまうこともあるでしょう。45年以上前に訪日経験があるイタリア人女性は、ある日本の国宝を前に抱いた感情を、今もはっきりと思い出せるそう。いったい、どんなものを見たのでしょうか。
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「日本はおとぎ話のようなところ」
女優や歌手、小説家として活動しているイタリア人のフロリアーナ・ラ・ロッカさん。1978年に、静岡県熱海市で開催されたフェスティバルに歌手として参加しました。満員の観客を前にパフォーマンスし終えたあと、2週間ほど滞在し、観光を楽しんだそう。
日本食も堪能し、「味だけでなく、ごはんのお茶碗やいろいろな形の器など、テーブルの上にきれいに構成して置かれていることも素敵だと思いました」と、豊かな日本の食文化を存分に体験できたと語ります。
また、日本では繊細な工芸品や折り紙などにも触れ、「ほかの国にも美しいものはたくさんありますが、日本はおとぎ話のようなところが魅力的」と感激。お土産として買った小さな民芸品を、今も宝物として大切にしているそうです。
「とても大きいというだけでなく、歴史的価値やインパクト」が
日本で小さな宝物を見つけ、持ち帰ったフロリアーナさん。滞在中は、とても大きなものにも目を奪われたそう。
「鎌倉の大仏です。巨大でした。そこで自分の小ささを感じました」
神奈川県鎌倉市の高徳院にある阿弥陀如来坐像。「鎌倉大仏」として親しまれ、国宝に指定されています。1252年に現存の大仏の鋳造が始められたとされ、像の高さは約11.3メートル、重量は約121トンです。
1998年に世界遺産に登録された「古都奈良の文化財」のひとつ、奈良東大寺の大仏、盧舎那仏の高さ(約15メートル)には及びませんが、長い歴史を経た姿には圧倒されるものがあります。
「とても大きいというだけでなく、歴史的価値やインパクトを感じ、日本人の大きな信仰心が伝わってきましたね」
長い年月、巨大な姿をとどめている様子に、多くの信仰心を集めてきた歴史を感じ取ったフロリアーナさん。45年以上経っても、そのときの印象が深く記憶に刻まれているようです。
(Hint-Pot編集部)