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「なにこの未来感」「超かっこいい」 美大生の卒業制作 巨大カメレオンに驚きの声
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美術大学で4年間、学んできたことの集大成となる卒業制作。発想力や完成度の高さがSNSで大きな注目を集めることがあります。X(ツイッター)では、多摩美術大学の学生が制作した作品が大きな話題に。12万件もの“いいね”を集めた作品について、制作した菊地凌和(@0k1ku___)さんに詳しいお話を伺いました。
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人が乗っても壊れない かっこいいカメレオンが完成
「卒業制作でカメレオンを作った」
そんなコメントともに投稿された1枚の写真。そこには、2メートルを超える巨大作品にまたがった菊地さんが写っています。
三角形をした鉄のパネルを組み合わせており、まるで3Dモデルのよう。鈍く輝くボディは重厚感があり迫力満点で、菊地さんを乗せたまま、今にも動き出しそうです。
巨大なカメレオンの像は注目を集め、12万件もの“いいね”を集めました。投稿の引用リポストには、「これ好き」「超かっこいい」「なにこの未来感」「こういう乗り物が公園にあったら楽しいな」「乗れるだけでも最高なのに、見た目もキラキラしていてかっこよくて、めちゃめちゃよき」「これは本物を見てみたい」など、作品を称賛する声が上がっています。
完成に3か月 不安もあるなかで制作

多摩美術大学の彫刻学科で学んでいる菊地さん。これまでに手掛けてきた作品には、ハリネズミやシカ、クラゲなど、生き物をモチーフにしたものが多数あります。そんな菊地さんが、卒業制作の題材にカメレオンを選んだ理由は、金属の素材性を生かした作品を制作するためでした。
「これまでは、金属とモチーフの相反する素材の両立に力を入れていました。しかし、今回の作品では、金属本来の性質とカメレオンの性質の融合を目指しました」
カメレオンの特徴と言えば、心理状態や気温などによって変化する体の色。周囲の色と同化する生き物として知られています。菊地さんは、そんなカメレオンの特性を表現するのにとても苦労したそうです。
まずは、模型作りから開始。そして、模型を参考にしながら、大きな鉄板を溶接し、実際の作品を作り上げていきました。完成までは全部で3か月ほどかかったといいます。
「周りの風景に同化するように、ポリゴン状の形態で制作したことが大変でした。今までの制作では、鍛金を使った具体的な作品が多かったため、初めての試みで、うまくいく確証がないなかでの制作となりました」
大学での展示会では「想像以上に評価されました」と菊地さん。2月には東京五美術大学の芸術芸学科による卒業・修了制作展にも出展するそうです。