カルチャー
「今も白いごはんやいろいろなお料理と一緒に食べたい」 イタリア人が忘れられない日本で出合った食材とは
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旅の醍醐味のひとつは、母国では味わえない食が楽しめることです。45年以上前に訪日経験があるイタリア人女性は、見たこともない食材と出合い、その見た目や味わいに魅了されたと当時を振り返ります。いったい、どんな食べ物が気に入ったのでしょうか。
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「味だけでなく、いろいろな形の器など素敵だと思いました」
俳優や歌手、小説家として活動しているイタリア人のフロリアーナ・ラ・ロッカさん。1978年に、静岡県熱海市で開催されたフェスティバルに歌手として参加しました。満員の観客を前にパフォーマンスしたあと、2週間ほどの観光を楽しんだそう。
日本の繊細な工芸品や文化などに触れ、イタリアにはない、数多くの得がたい体験ができたと振り返ります。
とくに日本の豊かな食文化に感銘を受け、「味だけでなく、ごはんのお茶碗やいろいろな形の器など、テーブルの上にきれいに構成して置かれていることも素敵だと思いました」と、強く心に残っているようです。
「東京で食べたような、あんな大きくて味わいのあるものは…」
滞在中は日本食を堪能したというフロリアーナさん。とくに印象深い食材があると語ります。名前までは記憶していませんでしたが、「赤くて大きなキャビアのような……」とのことで、イクラの説明をすると大きくうなずきました。
日本人になじみ深いイクラは、サケ・マスの卵を塩やしょうゆに漬けたもので、大きさは一般的に直径6~7ミリほど。主に直径3ミリ前後のチョウザメの卵を塩漬けにしたキャビアと比較し、フロリアーナさんはとても大きく美しい色だと感じたのでしょう。
「世界中を旅行しましたが、東京で食べたような、あんな大きくて味わいのあるものは食べたことがありませんでした。透明でオレンジ色で、大きな粒でした。今も白いごはんやいろいろなお料理と一緒に食べたい、日本で出合った食材です」
そう振り返ったフロリアーナさんは、懐かしそうな表情を浮かべました。再び日本を訪れたときも、おいしいイクラを堪能してほしいですね。
(Hint-Pot編集部)