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「これは無理ですわ」 記録的な大雪に見舞われた帯広市 元競走馬の奮闘に大反響
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引き続き警戒が必要な今シーズン最強の寒波。その影響により、北海道中東部にある帯広市では、3日から4日にかけて、観測史上最大の大雪に見舞われました。市民の生活に大きな影響を与えていますが、困っているのは人間だけではないようです。元競走馬があまりの大雪を前に観念してしまった様子が、X(ツイッター)で2.5万件もの“いいね”を集め話題になっています。投稿者のはる@馬車の人(@hrngEzGaciDGiFd)さんに詳しいお話を伺いました。
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帯広名物の馬車BARで働くムサシコマ
大きな注目を集めたのは、鼻にある三日月模様がチャームポイントの元競走馬「ムサシコマ」です。騙馬(せんば)で年齢は13歳。現在は「馬車BAR」の引き馬として、観光客を乗せた馬車を日々、安全に運行しています。
馬車BARとは、帯広市中心部の約2キロのコースを50分かけて馬車でめぐる、人気のアクティビティ。月・火・金・土曜日の午後6時から1日3回運行しています。もともと帯広競馬場の厩務員をしていたはるさんは、縁あってその馬車の馭者(ぎょしゃ)をしているそうです。
そんなムサシコマが活躍する帯広市は、先月まで記録的な少雪でした。そのため、1月24日に降雪があった際には大喜びしていたというムサシコマ。はるさんは、薄く積もった雪の上をムサシコマが跳ね回る様子もXに投稿していましたが、今回はそうもいかなかったようです。
首元まで埋まる大雪を前にギブアップ

なんと、朝までの12時間で降り積もった雪は120センチ。それはムサシコマの首元くらいまでの高さになります。
除雪機が入る前に、普段から過ごしている活動場へ、ムサシコマを出したはるさん。ムサシコマはぐんぐんと雪の中を進んでいきました。
しかし、冷たくて重い雪を前に、さすがにギブアップ。ムサシコマの馬力があれば、人が通れるくらいの道はできるかと期待しましたが、引き返してしまったそう。はるさんは、そんな様子を動画に収め、心の声をメッセージに添えました。
「中の人:行け! 獣道を作ってくれ。
ムサシコマ:任せとけ!(少し歩いて)これは無理ですわ
中の人:無理か……」
大雪の脅威が伝わってくる投稿は大きな話題になり、2.5万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には、「砕氷船を思い出す~」「さすが輓馬だ コマちゃん100馬力 うちのトラクターじゃ無理っす」「コマちゃんでもラッセルは無理でしたか……」などの声が寄せられています。
とかち観光大使も務めているムサシコマ
はるさんによると、一晩でこれほどの大雪が積もるのは珍しいとのこと。その後、重機を入れて、ムサシコマが走り回れるように整備を行いました。のびのびと走り回れるようになり、ムサシコマもひと安心です。
今回の反響を受けて、「かわいいとたくさん言ってもらってうれしいです。ムサシコマのかわいさがもっと広まればと思いました」とはるさん。
「コマちゃん」の愛称で地元や観光客から愛されるムサシコマは、とかち観光大使も務めています。これからも活躍が楽しみですね。
(Hint-Pot編集部)