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「イメージとまったく違いました」 日本企業に就職したウクライナ人女性 母国の友人に驚かれた日本の習慣とは
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日本の職場では、「新人が電話を取る」「約束の時間の5分前には到着する」など、暗黙のルールがさまざまあります。近年は見直されつつあるものの、日本で働く外国人には戸惑うことも多いと聞きます。そこで、八千代エンジニヤリング株式会社で働いて2年目になる、ウクライナ人のエリザベータさんに、実際に日本の企業で働いてみて、どのようなことを感じているのかお聞きしました。
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想像よりも働きやすい
世界約150か国の社会資本整備に関するコンサルティングサービスの実績を有する日本の総合建設コンサルタント会社、八千代エンジニヤリング株式会社で働いている、ウクライナ人のエリザベータさん。大学4年生の頃に来日し、在住3年目になります。
現在、入社2年目のエリザベータさんは、海外事業部に所属。母国語のほか、ロシア語、英語、そして日本語の4か国語を操り、その能力を社内で遺憾なく発揮しています。
日本人であっても大変な新社会人生活。さまざまな文化が違う日本で、新入社員として働くなかで、困ったことはなかったのでしょうか。
「仕事は決して楽ではありませんが、私の職場は思っていた以上に快適で、大変だ! と思ったことはありません。会社の人はみんな優しく、相談しやすい環境が整っていると感じます」
エリザベータさんは、ウクライナにいた頃、大学の授業でヨーロッパ人女性が日本で就職した映画を観賞したことがありました。最終的にはつらいことが多すぎて退職し母国へ帰るというエピソードだったそう。
そのイメージが強く、日本で働くことに対して、初めのうちは不安を拭いきれずにいました。しかし、実際に働いてみると、「イメージとまったく違いました」と話します。日本で暮らし始めて、エリザベータさんのなかの日本人像は大きく変化しました。
日本人とのコミュニケーションに困っているという声は聞かない

エリザベータさんが来日前、日本人に抱いていたのは、精神的に閉じていて、コミュニケーションが苦手な人が多いというもの。しかし、実際に日本で働くうちに、そのイメージは大きく変化し、とても話しやすい人が多いと感じています。
「私の周りの、日本に留学したウクライナ人も、日本人とのコミュニケーションに困っているという声は一切耳にしませんね」
それでもウクライナに住む友人に、日本のことを聞かせてほしいと言われて話すと、とても驚かれることがあるのだとか。
「日本はルールが多いですよね。ウクライナの友人に、日本ではお礼をするときにさまざまな決まりがあることを話したところ、とても驚かれました」
確かに、日本には「ありがとうございます」「感謝申し上げます」など、お礼の言葉が複数あるほか、お礼をするタイミングやお辞儀の深さをシチュエーションによって使い分ける人が多いでしょう。エリザベータさんにとっては、すでに慣れた日常の行動であっても、母国に住む友人たちにとってはやはり未知の世界に映るようです。