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激痛を伴う帯状疱疹 発症の場所によっては重症化も 罹患の対策とワクチン接種を医師が解説
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教えてくれた人:高木 謙太郎

皮膚に発疹や水ぶくれができ、激しい痛みを伴う帯状疱疹。俳優の寺島しのぶさんが先日、帯状疱疹ウイルスよって生じる顔面麻痺(ラムゼイハント症候群)で入院したことを公表したことでも話題になりました。帯状疱疹は80歳まで3人に1人がなるといわれていますが、発症する場所よっては、顔面麻痺以外にも失明など重篤な症状を引き起こす病気です。そこで、帯状疱疹について、内科医で四谷内科・内視鏡クリニック院長の高木謙太郎医師にお話を伺いました。
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発症後72時間以内の治療開始を推奨
帯状疱疹は、子どもの頃に水痘(水ぼうそう)にかかった人の神経節にウイルスが潜伏し、免疫力が低下した際に再活性化することで発症します。
典型的には、体の左右どちらかの神経に沿ってピリピリ、チクチクとした痛みを伴う発疹や水ぶくれが帯状に出現する病気です。多くは上半身にみられ、水ぶくれが破れるとその後かさぶたになり、皮膚症状は3週間前後で治まるといわれています。
症状は顔にも現れる場合があり、顔面麻痺や嚥下機能などに影響を与える場合が。また、目の周りに現れたものは、放っておくと失明する可能性があるためとくに注意が必要です。
さらに、合併症のひとつに、皮膚症状が治ったあとにも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があります。
では、実際に罹患した場合、どうしたらいいのでしょうか。帯状疱疹は、発症後72時間以内の治療開始が推奨されています。疑わしい症状が現れたら、できるだけ早く皮膚科もしくは内科を受診し、処方された薬をきちんと服用しましょう。
十分に安静にし、患部を清潔なガーゼなどで覆い、刺激しないようにしてください。入浴は、患部を温めることで痛みを増強する可能性があります。シャワー程度にとどめ、患部を強くこすらないようにします。水ぶくれが破れた場合、ほかの人に感染する可能性も。タオルや衣類は共有せず、患部に触れたあとは必ず手を洗いましょう。
帯状疱疹に罹患する人が増えている要因とは
帯状疱疹は50歳以上になると発症頻度が高まり、80歳までに3人に1人が発症すると推定される病気ですが、近年は50歳以下でも発症する人が増加しています。
年齢や生活習慣、ストレスなどによって免疫力は変化します。ストレスは、免疫力を低下させる原因のひとつです。現代社会はストレスが多く、帯状疱疹の発症リスクを高めていると考えられます。また、糖尿病やがんなどの基礎疾患があると免疫力が低下し、帯状疱疹を発症する可能性が高まります。
また、帯状疱疹は、何度も繰り返す人が少なくありません。不規則な生活や栄養バランスの偏り、睡眠不足などは免疫力を低下させる原因となり、帯状疱疹の再発リスクを高めます。
帯状疱疹は予防することが大切
帯状疱疹の予防には、日々の生活習慣を見直し、免疫力を維持・向上させることが重要です。バランスの取れた食事や十分な睡眠、適度な運動に気をつけ、ストレスを溜めないようにしましょう。
予防法として、ワクチン接種も有効です。18歳以上の人は、任意接種(予防接種法に定められていない予防接種や定期接種の年齢枠からはずれて接種するもので、個人予防として自らの意思と責任で接種を行うものをいう)として受けられます。
50歳未満で接種が推奨されるのは、過去に帯状疱疹を発症し症状が重かった人、免疫力が低下している人(基礎疾患がある、免疫抑制剤を使用しているなど)です。
ワクチン接種にかかる費用は、医療機関によってばらつきはありますが高額になります。そのため、50歳以上が助成対象になっている自治体が多いようです。
よく耳にするけれど、意外に怖い病気である帯状疱疹。日々の生活習慣に注意し、予防を心がけましょう。
(Hint-Pot編集部)
高木 謙太郎(たかぎ・けんたろう)
内科医。四谷内科・内視鏡クリニックを2022年に「予防医学を世の中に広め、健康寿命を伸ばし社会に貢献する」を理念に、消化器内科(内視鏡)と糖尿病内科の専門医2名体制で開業。専門的で高度な医療を提供することは当然のこと、人と人との繋がりを大切にし、心の通った医療を提供することをモットーにしています。