からだ・美容
病気が隠れていることも…目の下のクマは子どもも要注意 タイプ別の原因と予防策を医師が解説
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教えてくれた人:佐藤 卓士
鏡に映る顔を見て、目の下にクマを発見すると「疲れているな」「寝不足かな」と感じますよね。クマは大人だけのものと思いがちですが、子どもにもできることがあります。子どもの場合、ひょっとして病気が隠れているのかも? と心配になるものです。気になっているけれど、正解がどうもわからないという健康や美容の疑問を医師が解説する連載。今回は、目の下のクマについて美容形成外科の佐藤卓士医師に伺いました。
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目元の血行不良が原因でできるのが青クマ
クマができる原因に、大人と子どもで違いはありません。色によって3つのタイプに分けられ、それぞれ原因が異なります。
目の下が青紫っぽい色に見える「青クマ」は、血行不良が主な原因です。睡眠不足やストレス、目の疲れなどによって血流が滞り、酸素不足になった血液が青紫っぽく変化します。目の下の皮膚は顔のほかの皮膚に比べてとても薄く、皮下脂肪もほとんどないため、その血液の色が透けて青っぽく見えるのです。子どもの皮膚は大人に比べて未熟で薄いので、青クマも目立ちやすい傾向にあります。
目を閉じる筋肉である眼輪筋の疲労、冷え、首や肩のこり、運動不足も血行不良を起こしやすく、青クマができる原因になります。
目を休ませ、温めることで青クマを予防
ゲームをしたり、動画を観たりして夜更かしをしていると寝不足になり、子どもでも青クマができやすくなります。とくにゲーム機器やスマートフォンの画面を凝視していると、目の周りの筋肉がカチコチになり血のめぐりが悪くなるので、長時間の使用は控えるようにしましょう。
青クマは血行不良が主な原因なので、目の周りを温めて血流を良くすることが対策になります。睡眠をしっかりと取り、適度な運動をすることも大切ですし、お風呂に浸かり全身を温めることも青クマ対策には欠かせません。
年齢問わず、スマートフォンやパソコン、ゲーム機器を使用する際は、休憩時間を設けて目を休ませてください。単に目を閉じるだけでなく、上下左右を見たり、意識的に瞬きをしたりして目の周りの筋肉をほぐすとめぐりが良くなります。
子どもは夏休みに入ると生活リズムが乱れやすくなるので、夜更かしをせず規則正しい生活を送ることが青クマ予防につながります。
摩擦による刺激で色素沈着を起こす茶クマ
目元の皮膚は薄くデリケートなので、摩擦や乾燥、紫外線ダメージによって色素沈着を起こしやすく、茶色くくすんで見えます。これが「茶クマ」です。
目をこする癖がある人、アイメイクをゴシゴシと強い力で落とす人は要注意です。また、クマを消そうとメイクを重ねて刺激を与えるのは逆効果で、色素沈着が進んで濃い茶クマになってしまいます。
子どもは目がかゆいとすぐにこすってしまいます。小さいお子さんにも花粉症が増えていますし、アレルギーで目がかゆくなり、ついついこすっていると目の下が茶色くくすんできます。こすらないことが一番の予防策なのですが、小さいお子さんに「目をこすったらダメ」と言ってもなかなか守れることではありませんよね。
まずは目のかゆみの原因を取り除いてあげましょう。また、目をこすることが癖にならないよう、注意して見てあげることも大切です。
目をこすらず、保湿してターンオーバーを促す
茶クマの予防は、摩擦によるダメージを極力与えないことです。日頃から目をこすらないこと、メイクやメイク落としは優しく行うこと、外出時は日焼け止めを塗ることを心がけてください。
一度、色素沈着を起こすと落とすのは容易ではありませんが、保湿をして肌のターンオーバーを促すことで肌が生まれ変わり、少しずつ肌が明るくなる可能性はあります。子どもの場合は新陳代謝が活発なので、濃くなる前に対策することで薄くなっていくでしょう。また、肌が乾燥していると炎症を起こしてかゆみにつながるので、子どもでも保湿は欠かさず行いたいところです。
美白に導くビタミンC配合のクリームや美容液でケアするのもいいですね。ただし、塗るときは強くこすらないようにしてください。食事からもビタミンCを摂取すると、くすみの改善に役立ちます。
目元のケアとしてマッサージが思い浮かびますが、優しく行ったとしても摩擦がどうしても起こり、色素沈着の原因となりますので、極力触らないほうがいいでしょう。