カルチャー
「普及していないんです」 デンマーク人が温かさに感激 「今の寒い時期はとくに」母国へ持ち帰りたい、日本で広く使われているものとは
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海外でも高い評価を受けることの多い日本の製品。利用者のことを考え、改善を重ねているものが数多くあります。初訪日のデンマーク人女性は、母国に持ち帰りたいと思うほど、日本で使ったあるものが気に入ったそうです。いったい、なんだったのでしょうか。
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着物姿で日本の下町文化を堪能
北欧諸国のひとつであるデンマークからやってきた、リブさんとジュリーさん。今回が初めての訪日で、東京と京都に合わせて11日間滞在する予定です。
東京では、渋谷や新宿などの都心部を回ったふたり。訪日外国人から人気の観光地、浅草にも行きました。
浅草といえば、東京都内最古のお寺である浅草寺や、下町情緒漂う仲見世通りが有名。また、和菓子作り体験など、さまざまな日本文化を味わえるアクティビティが豊富にそろっています。ふたりは着物体験に挑戦。日本の歴史ある装いで、散策を楽しみました。
冬でもヒヤッとしないことに感激
東京をめぐるなかで、さまざまな日本ならではのものに触れたふたり。そのなかでジュリーさんには、母国・デンマークへ持ち帰りたいほど気に入ったものがあるといいます。それは、日本の温かい「便座」です。
「デンマークに持って帰りたいものは、温かいトイレ! 今の寒い時期はとくに。デンマークではウォシュレットも普及してないんです」
寒い冬でも、ヒヤッとすることなく座れるトイレに、ジュリーさんは大感激。日本で広く普及している、温水洗浄と暖房機能がついた便座の原型は、アメリカで医療用として発売されていた「ウォッシュエアシート」といわれています。
1970年代、一般家庭にも洋式トイレの設置が進むなか、冷たい便座に抵抗がある日本人は少なくありませんでした。それを防ぐために、便座に靴下を履かせる人もいたそう。そこで、日本のメーカーは当時、開発中だった温水洗浄便座の機能のひとつに暖房機能も組み込んだといいます。
現在の日本では、2人以上の世帯での温水洗浄便座の普及率は82.0%(2024年3月、内閣府調べ)と高い数値を記録しています。今からおよそ20年前の2004年3月の53.0%から、29ポイントも上昇。いまや、生活に欠かせないもののひとつとなってきていることがわかります。
日本人だけでなく、訪日外国人にも高く評価される温水洗浄便座ですが、現在のところ海外では日本ほど普及していないよう。その理由は、トイレと浴室が一緒になっていてコンセントが使えないこと、水質が硬水で適していないこと、治安が悪く盗難が発生することなどが挙げられます。
便座のほかにも、宿泊先にあった暖かい電気毛布に対し「これもデンマークに導入してほしい!」と熱望するジュリーさん。確かに、長く寒いことで知られるデンマークの冬にぴったりかもしれません。
残りの滞在でも、お気に入りのものをたくさん見つけてほしいですね。
(Hint-Pot編集部)