カルチャー
「少し恥ずかしかった」 初訪日のイタリア人が体験した忘れられない日本の文化とは
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日本人にとっては当たり前でも、異なるバックグラウンドを持つ外国人観光客にとっては驚いたり、抵抗があったりする文化があります。実際に日本へ来たことがある外国人は、そのような光景を目の当たりにして、どんなことを感じたのでしょうか。2017年に初めて日本を訪問したという、イタリア人のサーラ・マリノーリさんに、日本で初めて体験したことについて振り返っていただきました。
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初訪日で鳥取県に魅了されたサーラさん
イタリア中部に位置する、ペルージャ在住のサーラさん。サーラさんの仕事は美術品コレクターで、世界各地へ足を運んでいます。そんなサーラさんが初めて日本を訪れたのは、2017年の春。約2週間の滞在で、東京や京都、奈良、鳥取をめぐったそうです。
日本古来の建築物を有する都市にも足を運びましたが、日本人の友人の実家がある鳥取県を訪れたときに足を運んだ譲傳寺(じょうでんじ)が最も印象に残っているそう。
美しい花や川のせせらぎなど、豊かな自然に囲まれた光景に心を奪われ、「初めて行ったのに、自分の家に帰ってきたみたいだった」と当時を振り返ります。
リラックス効果でぐっすり 共同浴場体験に感動
さらにもうひとつ、サーラさんは鳥取で忘れられない体験をしたそう。
「観光バスで箱根にも行ったし、京都で舞妓さんを見たのも感動しました。でも、一番良かったのは、鳥取の温泉だったんです。旅行者は私しかいなくて、あとは地元の人だけ。着ているものをすべて脱いで、知らない人と一緒にお風呂に入ったことがなかったから、少し恥ずかしかったけれど……」
サーラさんが訪れたのは、鳥取県倉吉市内の関金温泉にある「関の湯共同温泉」です。浴室はとてもシンプルで、タイル張りの床と壁、そして木造の小さな浴槽がひとつ。明治時代から続く歴史ある浴場で、地元の人たちからも長く愛されています。
日本に着いてからしばらくの間、なかなか眠れないことに悩まされていたというサーラさん。しかし、お湯に浸かったことで「(日本に来て)初めてゆっくり、ぐっすり眠れました。それまでは時差ボケのため睡眠導入剤などを飲むなどしたのだけど、リラックス効果が抜群でした」と笑みをこぼしました。
身をもって、日本文化のひとつである温泉の魅力を体験したサーラさん。「また絶対に(日本へ)行きたい」と目を輝かせながら、再来日を願っていました。
(Hint-Pot編集部)