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キャベツの断面の黒ずみの正体とは 食べても問題ない? 新鮮なものを選ぶポイントを栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実

最近は、一時期よりも価格が下がって来た印象があるキャベツ。買い置きして、いざ料理に使おうと思った際、断面の黒ずみが気になったことはありませんか。また葉に黒い斑点がついていて、食べて良いのか迷うこともあります。いったい、この黒ずみの正体は何でしょうか。栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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黒ずみはポリフェノールによるもの
半分や1/4にカットして保存していたキャベツの断面が薄く黒ずんでいるのは、カビではなくポリフェノールによるものです。キャベツに含まれるポリフェノールが、保存している段階で空気に触れ、酸化すると黒くなっていきます。とくに体に害はないため、食べても問題はありませんが、気になる場合は、黒くなった部分を切り落として使うと良いでしょう。
またキャベツの葉をむいてみたら、葉に小さい黒い斑点がついていた経験もあるかもしれません。これは、急激な気温の変化などでポリフェノールが点々と現れる「ゴマ症」、または、キャベツの内側の水分が凍った後に急速に解凍されると細胞組織が壊れて発生する「内部黒変症状」の可能性があります。いずれも食べても体に害はありません。しかし、気になる場合は適宜取り除いて食べることをおすすめします。
内部黒変症状は、凍害であるため一般的には寒い季節に収穫される冬キャベツに多く、現在出回っている春キャベツでは、あまり見られない現象といわれています。
ただし、キャベツが黒っぽくなってドロドロと溶けていたり、酸っぱい臭いがしたりする場合は、腐敗している可能性が高いので、食べずに廃棄してください。
新鮮なキャベツの選び方とは
春に出回るキャベツは春キャベツと言われ、「新キャベツ」や「春玉」とも呼ばれます。夏秋、冬のキャベツと比べると葉がやわらかく、巻きはふんわりとしていて、全体的に丸いのが特徴です。水分が多く甘みがあります。
そのため、大きさの割に軽いものを選ぶと、みずみずしくておいしいといわれています。生のまま、千切りやちぎってサラダに、または軽く塩で揉んで浅漬けにして食べるとおいしいです。
色があせていたり、しおれたりしているものは避けましょう。外葉が残っているキャベツのほうが、鮮度が保たれています。半分、または1/4にカットされたものを選ぶ場合は、芯の切り口をチェックしてください。変色して黒ずんでいるもの、乾燥してひび割れていたりするものは鮮度が落ちている可能性があります。切り口が白くてみずみずしいものを選ぶと良いでしょう。
(Hint-Pot編集部)
和漢 歩実(わかん・ゆみ)
栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾