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「『絶対にダメですよ』って教えてくれたので」 イタリア人が日本の温泉旅館で感激した貴重な体験とは
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海外から日本を訪れる観光客にとって、普段の暮らしとはひと味違う文化や風習との出合いは、かけがえのない体験になります。なかでも、伝統文化や細やかなおもてなしに触れて、魅了される人は少なくありません。初めて日本を訪れたイタリア人カップルは、日本の温泉旅館で思い出に残る体験をしたそう。いったい、どんなことなのでしょうか。
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人生初の温泉旅館での宿泊は「素晴らしい体験の連続」
初めて日本へ来た、イタリア人のルカさんとオーロラさん。2週間の滞在で、河口湖や京都、奈良、大阪、高山、白川郷、金沢をめぐり、最後に東京都内でショッピングを楽しんでいました。
「日本の文化、食べ物に興味があって日本を選んだんです」と、目を輝かせるふたり。各地を訪れたなかで、オーロラさんが深く印象に残ったと語るのは、高山の温泉旅館での体験でした。
「初めて温泉に入ったし、布団での寝心地も問題ありませんでした。素晴らしい体験の連続でした」
とくに、感動したのが、日本の旅館のサービスのひとつである「浴衣」の貸し出しです。
「浴衣の着方がわからなかったので、教えてもらったんです。『絶対に左前にして着てはダメですよ』って教えてくれたので、反対にならないように気をつけて着ました。死んだ人が左を上にして着るから縁起が悪いと、その理由も教わりました」
近年、温泉旅館で浴衣を着る体験が外国人観光客の間で人気です。旅情あふれる和の雰囲気を楽しめる浴衣は、写真映えするだけでなく、日本文化に触れられる貴重な体験として支持されています。
オーロラさんは、用意された浴衣の着方からマナーに至るまで丁寧に教えてもらったことで、浴衣についての理解を深められたようです。さらに、オーロラさんは浴衣のデザインにも着目しました。
「日本独特の文様があることも教えてくれたんです。文様によって異なる意味があるというのも教えてくれました。私は裁縫が趣味なので、後日、その日本の文様を学べるものをドン・キホーテで買いました。このような文化体験ができるのは、本当に貴重な経験だと感じました」
日本の浴衣には、季節感を表現する文様が多く使われています。桜や菊、梅などの季節の花は自然の美しさを表し、紅葉は秋の風情を感じさせるモチーフなどとして、長く愛されてきました。また、流水や波模様は、涼しさや清涼感を引き立てます。そんな浴衣の魅力のひとつであり、日本人の文化や心を反映した文様の存在に、オーロラさんは心を打たれたようでした。
「京都では着物を着て、抹茶体験もしました。高山の旅館で着た浴衣と比べるとはるかにきつかったですが、何枚もの布を重ねて着て最後にベルト(帯)を締めるというのは、とてもおもしろい体験でした」とルカさん。日本独自の着物や浴衣を着た体験は、ふたりにとって貴重な時間になったようです。
人生初の体験を、余韻に満ちた表情で語ってたくれたふたり。最終日、都内のショッピングも心ゆくまで楽しんでほしいですね。
(Hint-Pot編集部)