二度としないでほしい。そう口を酸っぱくして注意したのに、すぐ忘れて同じことを繰り返す――そういう人、あなたの近くにもいませんか？　今回寄せられたのは、まさにこうしたことを無限ループのように繰り返す夫のお話。高知県にお住まいの女性からお聞きしました。

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高熱で寝込んだら夫が怒り爆発

　離婚は考えていないものの、夫の脳の病気を疑い始めているという、川井なつさん（仮名・30代）。小学校に通う2人の息子がいます。10歳上の夫とは、知人を通じた見合い結婚でした。

「もともと自己中心的な考え方をする人だとは思っていました。でも、極端すぎることはなく、私や息子に対しては優しく接してくれるので、見合い結婚にしてはうまくいってるほうかな……なんて思っていたんです」

　しかし、2年ほど前から、夫の態度に変化が表れました。たとえば、なつさんが体調を崩したときのこと。これまで風邪ひとつひくことなく過ごしてきましたが、ある日、40度近い高熱を出してダウンしてしまいました。

　寝込んだなつさんを見て、夫はいたわわるどころか「自己管理がなっていない！」と、大声で怒鳴りつけてきたそうです。まさかの言葉に、驚きとショックのあまり、頭の中が真っ白になってしまったというなつさん。息子たちが学校に出かけたあとだったのは幸いだったと、そのときのことを振り返ります。

「夫自身は37度2分程度の熱でも『もう二度と起き上がれないかもしれない』と大騒ぎするタイプで、そのたびに優しく面倒を見てきたのに、まさか怒鳴られるとは思いもしませんでした」

　夫は腹を立てて、そのまま出ていってしまいました。しかし、3時間もせず帰宅。どうやら、なつさんが寝込んでいることを義母に伝えたところ「妻が熱を出しているのに、実家に帰ってくるとは何事か！」と追い出されたようです。

「夫は頭が冷えたのか、『ひどいことを言ってごめん』と謝ってくれたので、その日のことはなかったことにしたんです。でも、半年も経つとケロッと忘れて、私が何か失敗したり、体調を崩したりすると怒鳴りつけてくるんです。あまりにも人格が変わってしまったため、病気が隠れているのではないかと、不安すら感じています」

心配や不安が過剰に出てしまっている可能性も

　夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんによると、まずはお互いの気持ちを理解し合うため、冷静に、感情的にならずに話し合う時間を作ることが大切だといいます。

「夫は普段、37度程度の熱に過剰に反応しているとのことですが、その理由について話し合ってみましょう。もしかしたら、なつさんの具合が悪いときも、心配や不安が過剰に出てしまい、大声で怒鳴ってしまうのかもしれません。しかし、怒鳴るのはお互いにとって大きなストレスになるため見過ごせません。なつさんの気持ちを、率直に伝えることが必要です」

　また、感情が高ぶったときにお互い冷静になれるよう、セルフケアの方法を考えることも有効だといいます。

「たとえば、イライラしたときに深呼吸をする、短い休憩を取るなどすると、感情のコントロールがしやすくなります。夫婦間でお互いの感情を尊重し、必要なときに冷静さを保つ方法を見つけることも重要です」

　もちろん、なつさんが心配している通り、何らかの健康問題が隠れている可能性も考えられるため、早期に専門医を受診することをおすすめしています。

（和栗 恵）