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「太ももの骨が折れる事故が増えています!」 自転車後部座席に乗った子どもが思わぬ事故に 日本小児救急医学会が注意喚起
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自転車は、日常の移動や買い物、保育園の送迎など、便利な交通手段です。基準を満たした幼児用座席を後部に設置して、子どもを乗せるスタイルは一般的ですが、一方で重大な事故につながる危険も潜んでいます。日本小児救急医学会は公式X(ツイッター)アカウント(@jsepsns2024)で、後部座席に乗せた子どもが障害物に接触し、骨折する事故が増えていると注意を呼びかけました。
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「足は外に出さないように」呼びかけ
子どもがいる家庭では、普通自転車の後部に幼児用座席を取りつけている人が多いでしょう。とても便利ですが、走行中は細心の注意を払わなければなりません。
投稿では「自転車の後部座席の子どもが障害物(車止めやポール)と接触・衝突し、太ももの骨が折れる事故が増えています!」と警告。
さらに、「『足はフットレストに置き、外にはみ出さないように』『障害物がある狭い場所では、自転車から降りるかゆっくり通過する』」といった安全行動のほか、子どもの体重や年齢が適用範囲内かどうか、座席のSG基準も確認するよう促しています。
「右大腿骨遠位部骨折で約3週間入院」した事例も
投稿に添えられた国民生活センターのウェブサイトによると、「医療機関ネットワークには、自転車後部に子どもを同乗させて走行していた際の事故事例が2019年度以降の5年間で207件寄せられています」とのこと。「事故の原因をみると、スポーク外傷(約4割)をはじめ、転倒(約3割)、身体のはみ出し(約2割)などの事故が発生していることがわかりました」と報告しています。
後部座席から足や体が外に出ることで、重大なけがにつながるおそれがあります。同サイトには、保護者が電動アシスト自転車に乗っていた際に発生した、子どもの事故事例の一部が紹介されています。
「自転車後部の幼児用座席に子どもを乗せて右側に寄ったところ、子どもの右足とガードレールが接触して受傷した。足を置くところから足を出してぶらぶらさせていたところを後ろから兄が目撃していた。右大腿骨遠位部骨折。約3週間入院した」(2023年11月、4歳・女児)
「右折する際に車体がふらついてポールに子どもの右膝が接触し、股関節を開く形で受傷した。右大腿骨骨幹部骨折。約2か月間入院となった」(2023年2月、6歳・男児)
便利な移動手段だからこそ、油断せずに安全な乗せ方と走行を心がけることが大切です。子どもの足や体が座席から外に出ないよう確認し、狭い場所や障害物のある道ではスピードを落とすか降車するなど、細心の注意を払いましょう。
(Hint-Pot編集部)