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「被害者から電話でクレーム」「後から骨折が判明」…夏休みは子どもの自転車事故に注意
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公共交通機関の代替手段として注目を集めている自転車。夏休みに入り子どもたちが乗る機会も増えていますが、親世代としての心配事といえばやはり事故。自転車に関するルールや事故にあった際の対応など、教えておくべきことは多くあります。全国の保護者1000人を対象にした調査から、実際の状況を見てみましょう。
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スマホ操作やイヤホン装着の危険運転行為は少ない
au損害保険株式会社は2021年4月、子どもの自転車利用に関するアンケート調査を行いました。対象は自転車に乗る小学生から高校生の子どもを持つ全国の保護者1000人です。
まず、子どもが自転車事故の加害者・被害者になった場合、どう対応したらいいかあらかじめ決めているかを問う設問から。「決めている」(28.7%)に対して、「決めていない」(49.7%)と「考えたことがない」(21.6%)は7割以上という結果になりました。「うちの子に限って……」という意識が少し感じられる状況ですね。
次に、自転車に乗った他人の子どもが相手方となったヒヤリハットや事故の経験を問う設問では、約5割が「ある」(49.7%)と回答。「いずれもない」は50.3%でした。そこで、事故に遭いそう(ヒヤリハット)になった「原因」を見てみましょう。
【ヒヤリハットや事故に遭った時の相手方の危険運転行為を教えてください】
1位「いきなり飛び出してきた」(71.4%)
2位「複数人で横に広がって通行していた」(26.8%)
3位「スマートフォンをいじったり音楽を聴いたりしながら運転していた」(25.0%)
4位「暗いのにライトをつけていなかった」(23.9%)
5位「子どもが通路の右側を通行(逆走)していた」(22.7%)
大人の事故原因として注意が呼びかけられているスマートフォンの操作やイヤホン装着によるものは少なく、「いきなり飛び出してきた」が7割超でダントツの1位に。小学生の行動パターンを考えると納得の結果ですね。
未成年の場合でも「すぐに警察に連絡する」ことが義務
先の設問では、子どもが自転車事故の加害者・被害者になった場合の対応を決めていない保護者が71.3%に上っていました。実は未成年の場合でも「すぐに警察に連絡する」ことが義務とされており、違反した場合3か月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられる可能性があるそうです。
では、どのような危険運転行為に遭遇したのか、実例を自由回答で見てみましょう。
【自転車ヒヤリハット・事故エピソード:自身または子どもが被害者になったケース】
「その場では痛みもなく大丈夫と思い別れたが、その後どんどんと痛みが出てきて治るのに2週間かかった。ちゃんと相手の情報を聞いておけば良かったと後悔した」(兵庫県・50代女性)
「急いでいたのでその場で別れたが、後になって骨折していることが分かった」(東京都・50代女性)
「子どもが、下り坂でスピードを出している時に運送屋さんのカートが車道に転がってきて、避けようと急ブレーキをかけたら転倒した。相手から『大丈夫ですか?』と聞かれたが、『大丈夫です』と言い帰ってきたようだ。その後捻挫の症状などあったが、相手の連絡先など分からずそのままになってしまった」(東京都・30代女性)
打撲や骨折など、その場ですぐに分からなかったり痛みが遅れて出てきたりする怪我の場合、のちに深刻な症状だったことが判明するケースもあります。相手が子どもであっても、事故は事故としてきちんと対応することが大切ですね。
【自転車ヒヤリハット・事故エピソード:子どもが加害者になったケース】
「子どもが自転車を運転していたところ曲がり角で車と衝突。子どもが自宅の電話番号を相手に教えたが、その後頻繁に電話がかかってくるようになった。強い口調でクレームをつけられることもあり、怖い思いをした」(東京都・40代女性)
個人情報を個々で取り扱うと、事故後の示談交渉でトラブルを招く危険性も。事故発生時は個人的な連絡先の交換を避け、対人・対物にかかわらず警察へ連絡することで、のちのトラブル回避にもつながります。