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「『無理!』ってどこか違うところに行ってしまう」 万博のアメリカ人スタッフが外国人との違いに驚き 感動した日本人の行動とは
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2025年大阪・関西万博の会期も、残すところあと1か月余り。連日多くの来場者でにぎわう万博会場では、各パビリオンで働く外国人スタッフたちが、訪問者をもてなしています。日本で暮らし、日本人と日々接するなかで、彼らはどのような発見をしているのでしょうか。1970年の大阪万博で人気を集めた「月の石」を再展示(70年に展示されたのとは別の石)し、話題になっているアメリカパビリオン。そこで働くサムさんは、日本人のある特徴に心を動かされたといいます。どんなことを感じたのでしょうか。
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4度目の訪日で見つけた日本人の魅力
アメリカ・アイダホ州出身のサムさん。独学と大学で日本語を勉強し、今回の訪日が4回目です。4月から日本に滞在し、アメリカパビリオンでスタッフとして働いています。
万博会場では連日、長い待ち時間が発生していますが、サムさんは待機列で行うエンターテインメントを通して、日本人とアメリカ人の反応の違いに注目したといいます。
アメリカパビリオンでは、来場者が長時間並んでいる間に退屈しないよう、さまざまな工夫を凝らしています。サムさんによると、この取り組みに対する反応が、国によって大きく異なるそうです。
「アメリカ人は騒いでいるのが好きだし得意。だけど、日本人は騒ぐのが少し苦手なのかなって感じました。そうしたなかでも、3択のクイズはとても人気ですよ」
サムさんは、控えめながらも参加する日本人の姿に、文化の違いを見ているようです。
日本人の「待つ」文化に感動
サムさんがさらに驚いたのは、日本人の忍耐強さと情熱でした。
「外国人は『2時間待ち』と言うと『無理!』と、どこか違うところに行ってしまうことが多いんです。でも、日本人は同じ時間や、少し短い『90分待ち』でも『そっかー』と、少しがっかりしながらも並ぶことが多い。アメリカ人としては、そこまでして待って、アメリカのパビリオンを見たいと思ってくれているのは、とてもドラマチックに感じてうれしいです」
日本人は、長時間の待ち時間でも秩序を乱さず、礼儀正しく並び続ける人が多いでしょう。日本に根づいている行列文化は世界的にも珍しく、初めて目にした外国人が驚嘆する様子も見かけます。アメリカの文化や歴史に関心を寄せる日本人の、情熱と礼儀正しさは、スタッフとして働く外国人の感動を呼び、大きな励みになっています。
文化の違いを超えた、相互理解の場として機能している万博。残り少ない会期の中で、さらに多くの心温まる交流が生まれることを期待したいですね。
(Hint-Pot編集部)
