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ブドウを洗うベストなタイミングはいつ? 鮮度やおいしさを逃さない3つのポイント 栄養士が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

ブドウはいつ洗う?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
ブドウはいつ洗う?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 最盛期を迎え、店先に多彩な品種のブドウが並び始めています。近年は、皮ごと食べられて、種がない品種もたくさんあり、幅広い年代層から人気です。身近な果物ではあるものの、知らずにやっていたことが、おいしさや鮮度を逃す原因になっていることも。いまさら聞けないブドウの豆知識について、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

甘いブドウは粒が詰まっている?

 ブドウをおいしく味わうには、3つのポイントがあります。1つ目は、選び方です。

 店頭で房を選ぶ際、表面の色が鮮やかで、粒がぎっしりと詰まったものをつい選んでいませんか? なんとなく良さそうな印象がありますが、甘さや鮮度の観点からいうと、おすすめはしません。

 ブドウは、育つ際に太陽の光を浴びて甘くなっていきます。そのため、粒がぎっしりと詰まっているものよりも、粒同士にやや隙間が空いているもののほうが、まんべんなく太陽の光が当たるため、甘いブドウの可能性が高いです。

 また、皮の表面に白っぽい粉がついていることがありますが、これは果粉(ブルーム)と呼ばれるもの。病気を防いだり、水分を保ったりするためにブドウの果実に含まれる脂質から作られたろうが、果皮の表面に浮き出た天然の成分です。このブルームがついていることは、新鮮で健康な目安でもあります。

 したがって、粒同士にやや隙間があって、表面に白っぽい粉がついているものを選びましょう。

ブドウを洗うのは保存前? 食べる前?

 2つ目のポイントは、洗うタイミングです。ブドウを購入したら「水洗いをしてから保存する」と聞くことがありますが、おすすめしません。水に浸けると傷みやすくなります。

 また、表面についたブルームは、病気や乾燥を防ぐためにブドウ自らが分泌しているものなので、洗い流さないようにしましょう。そのままの状態で保存するほうが、鮮度やおいしさが長持ちします。

 ブドウは、食べる直前に洗いましょう。房ごとであれば、水を入れたボウルに流水しながら、軽くゆすって洗います。または、ボウルの中にブドウを入れて、静かに水道水を流したまま、2~3分程度置いて洗うと良いでしょう。

 とくに皮ごと食べるものは、丁寧に洗ってください。洗ったあとは、ザルにあげて水を切り、キッチンペーパーで軽く押さえて水分を取ると、よりおいしく食べられます。

食べる際は上から? 下から?

 3つ目のポイントは、食べ進める向きです。ブドウは、太陽の光を浴びると、房の枝軸のほうから成熟が進みます。そのため、太陽をたくさん浴びた枝軸に近い房の上側にある粒のほうが、先端の下側の粒よりも甘い傾向にあるといわれています。

 最後までおいしく楽しみたい場合は、房の先端の下から順に、枝軸に近い上へ向かって食べていくと良いでしょう。

 ブドウの主成分は、果糖やブドウ糖などの糖質です。体内に素早く吸収され、エネルギーに変換されます。運動中の手軽なエネルギー補給、暑さでバテやすい時期の疲労回復に良い食品です。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾