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「何時間も眺めていられます」 アメリカ出身女性が魅了された日本文化 自宅に飾るほど気に入っているものとは
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日本には、長い歴史を持つ伝統文化が数多く息づいており、その美しさや精神性に魅了される外国人も少なくありません。アメリカ出身でイタリア在住の外国人女性も、そんな日本文化の美しさに心を奪われたひとり。自宅に飾るほど気に入ったものがあるといいます。いったい、どんなものなのでしょうか。
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訪日経験はこれまでに3度 「とても素晴らしい経験」
アメリカ出身でイタリアに帰化し、10年になるというスザンヌ・プレパラータさん。現在はペルージャの歴史地区に暮らし、16世紀に建てられた邸宅の修復というユニークなプロジェクトに取り組んでいます。
手先の器用さを生かし、アメリカにいた頃には編み物を教えていた経験もあるというスザンヌさん。そんな彼女は、これまでに3度、仕事で日本を訪れたことがあるそう。そのときは、東京や京都、福岡、そして島々まで各地を旅したといいます。
「私にとって驚くべき、とても素晴らしい経験でした。まだベビーカーに乗っていた小さな子どもたちも連れて行きましたが、信じられないほど素晴らしいところでした。また日本へ行きたいです」
着物への深い愛情 アートとして自宅でも堪能
そんなスザンヌさんがとくに心を奪われたのが、日本の伝統的な衣装である着物でした。手仕事のプロフェッショナルとしての目で見た着物は、単なる衣服を超えた芸術作品に映りました。
「変に思われるかもしれませんが、私は着物を何時間も眺めていられます。着物ごとに一着一着、すべての着物をじっくり見たいのです」
着物は、長い歴史を持つ日本の伝統的な衣装で、季節や場面に合わせて多彩な種類が存在します。振袖、留袖、訪問着、小紋など、それぞれに異なる格式と美しさがあり、色合いや柄、素材には日本ならではの深い意味が込められています。スザンヌさんは、そうした一着一着に込められた職人の技と美意識に魅了されているようです。
「私は着物は縫いませんが、縫うのもアートです。3回日本へ行きましたが、行くたびに、着物への評価は高まります」
日本を旅するなかで、街角で着物姿の人々に出会うこともあったそう。着物を着た女性たちの姿は、強く目に焼きついているといいます。
「日本を歩いていると、ときどき道で着物姿の人を見かけました。遠くから見るたびにいつも惹かれます。魅了されて、動けなくなるほどです。着物を着ている人は、蝶や、花のように見えます」
また、スザンヌさんが着物に魅了された理由は、見た目の美しさだけではありません。
「着物の美しさは、特別です。着物は、布を無駄にしません」
着物は、反物を必要な長さと枚数に裁断し、それらをすべて使いきるように縫製されます。そんな無駄のない合理的な仕組みにも、スザンヌさんは胸を打たれたようです。
ペルージャの自宅には、日本で購入した着物を飾っているというスザンヌさん。訪日から時を経ても、着物は色褪せることのない感動になっているようです。
(Hint-Pot編集部)
