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「座ってしまうのは絶対にNG」 ホテルで椅子と勘違いされる備品の正体…“誤解”が招くけがや破損のおそれとは
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ホテルの部屋に置かれている、さまざまな備品。そのなかには、使い方がわからないものが意外に多くあります。なかでも、一見すると簡易椅子のように見える“折りたたみ式の台”は、使い方を誤解している人もいるかもしれません。うっかり椅子代わりに座ってしまうと、破損やけがの原因になることも。“折りたたみ式の台”の正体と適切な使い方について、ホテルのエキスパートとして活躍する小林千花さんに伺いました。
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椅子と間違えがち? 実は荷物を置くためのもの
ホテルの部屋に入ると、ベッドやデスク以外に「これって何に使うんだろう?」と、首をかしげてしまう備品がありますよね。とくに、たたんで置いてあることが多い、X字型の“折りたたみ式の台”。これは、荷物を置くためのバゲージラックです。
ホテルの部屋では、壁際や入り口付近に置かれていることが多いでしょう。形状は、確かに簡易椅子に見えなくもありません。しかし、これはスーツケースを床から持ち上げて置くための、専用ラックなのです。
スーツケースを床に直接広げると、部屋のスペースが取られるうえに、荷物を出し入れするたびにしゃがんだり、立ったりする必要がありますよね。とはいえ、ベッドに置くと、スーツケースの汚れがついてしまう可能性もあります。
バゲージラックには一定の高さがあるため、スーツケースを置くと、荷物を出し入れするときもスムーズです。また、広げたまま置いても、部屋のスペースを確保できます。まさに、快適なホテルステイのための、便利なアイテムなのです。
NGな使い方でけがをする可能性も
椅子に見えますが、座ってしまうのは絶対にNG。体重を支える設計ではないため、破損やけがのおそれがあります。あくまで荷物の重さを支えるために作られており、人が座ることを想定した設計にはなっていません。体重をかけると破損してしまい、思わぬけがにつながる可能性もあるため、くれぐれも座らないように注意しましょう。
使用後は、そのまま広げたままにしていても問題ありません。ただ、軽くたたんで部屋の隅に寄せておくと、よりスマートです。次に部屋を清掃するホテルスタッフが作業しやすくなるだけでなく、「備品を丁寧に扱ってくれる、素敵なお客様だな」という印象にもつながるでしょう。
(小林 千花)

小林 千花(こばやし・ちか)
1995年10月3日、東京都港区生まれ。2018年から生島企画室に所属し、舞台を中心に俳優として活動。曽祖父が都内でホテルを創業し、“ホテル一家”に生まれ育ったホテルのエキスパート。特技は「一度お会いした人の顔と名前を覚えられる」。趣味はホテルめぐり、宝塚観劇。「利き酒師」の資格も持っている。身長155センチ、血液型O。
