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「どのくらい待つかわからないほどだった」 ポルトガル館スタッフが万博で見た光景 感動した日本人の行動とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ポルトガルパビリオンで働く、セルビア人のマーシャさん【写真:Hint-Pot編集部】
ポルトガルパビリオンで働く、セルビア人のマーシャさん【写真:Hint-Pot編集部】

 2025年大阪・関西万博の会期も1か月を切りました。連日多くの来場者でにぎわう万博会場では、各パビリオンで働く外国人スタッフたちが訪問者を迎えています。「海、青の対話」をテーマに、持続可能な未来における海の役割を強調する没入型の体験を提供しているポルトガルパビリオン。そのスーパーバイザーとして働くマーシャさんは、万博で働くなかで、日本人来場者のある特徴が印象に残ったといいます。いったい、どのような出来事があったのでしょうか。

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独学で日本語を習得 3度目の訪日で念願の日本で働けることに

 セルビア出身のマーシャさんは、ポルトガルパビリオンでスーパーバイザーとして働いています。日本語に興味を持ち、15歳から独学で勉強を始め、大学でも日本語を学び続けました。

 2019年に観光目的で初訪日。昨年2度目の訪日では、就職活動に挑戦しました。しかし、ほぼ決まりかけていた就職が、ビザの問題で頓挫してしまったといいます。

 そんなとき、友人が万博の求人情報を見つけてくれました。応募したところ見事に採用され、今回は3度目の日本を満喫しています。

長時間の待ち時間でも笑顔を絶やさない日本人

 そんなマーシャさんが、万博で働くなかで最も驚いたのは、開幕当初の混雑した状況での出来事でした。

「プレオープンのようなトレーニングで3万~5万人の対応をしたけれど、開幕初日は10万人くらいだったから、列が長くなってしまって……。今ではどのくらいの時間がかかるかわかるけれど、その頃はどのくらい待つかわからないほどだったの」

 閉幕を1か月後に控えた9月に入っても、7日連続で20万人を超える人気ぶりで、開幕当初の混乱は想像にかたくありません。

「日本人は3時間待つとわかっていても、実際に長く待ったあとでも、パビリオンに入るときには文句も言わず、笑顔で入ってくれる」

 マーシャさんはこの体験を通じて、日本人の国民性の素晴らしさを実感したそう。欧米では、これほど長い待ち時間があると不満の声が上がることも珍しくないでしょう。

 15歳から日本語を学び始め、ついに念願の日本で働く機会を得たマーシャさん。万博という舞台で、日本人の忍耐強さと優しさを間近で感じながら、充実した毎日を過ごしています。

(Hint-Pot編集部)