日本人のマナーの良さは、世界中から称賛されています。日本人が当たり前にとっては当たり前の行動に、深い感銘を受ける外国人も少なくありません。その一方で、日本の独特な習慣やルールに戸惑う人もいるようです。オーストラリア、フランス、スウェーデンからの観光客が日本で驚いたマナーとは、どんなことだったのでしょうか。

　◇　◇　◇

母国との環境の違いに困惑

○「少し嫌だなって思っちゃった」　オーストラリア人が日本の飲食店で「びっくりした」こととは

　オーストラリアから初めて日本を訪れた、ウィルさんとアッシュさん。2週間の滞在で京都、大阪をめぐって東京にやってきました。日本の魅力を満喫したふたりですが、ある場面で母国との環境の違いに戸惑ったといいます。

「屋内の飲食店でも喫煙OKの場所があるところは、少し嫌だなって思っちゃった。オーストラリアでは基本的に屋内で喫煙できないから。日本だとバーとか、店によって喫煙OKのところがあって、びっくりした」

　オーストラリアでは2006年から段階的に屋内での喫煙が禁止されており、ほぼすべての屋内施設で喫煙ができません。一方、日本では2020年の健康増進法改正により原則屋内禁煙となったものの、小規模な飲食店では喫煙が認められている場合もあります。より厳格な禁煙ルールに慣れているふたりには、驚きの出来事となったようです。

規律正しさに深い感動

○「フランスだったらみんな、ばらばらになってしまう」　フランス人が心に残った日本人のマナーとは

　フランスのマルセイユ近郊から初めて日本を訪れた、ジャンミシェルさんとセリーナさん夫妻。15日間の滞在で東京、大阪、京都、広島の宮島、箱根などをめぐり、日本の多様な文化に触れました。

　そんなふたりにとって最も印象に残ったのは、公共の場でも静かに振る舞い、混雑の中でもお互いに譲り合う日本人の姿。ジャンミシェルさんは「日本人は、どこでもきちんと並んで待っているよね。フランスだったらみんな、ばらばらになってしまうからね」と感動していました。

　さらに、「日本はとにかくきれい！」と、街の清潔さにも感激。公共交通機関で列に並んだり、ゴミを持ち帰ったりするなど、日本では当たり前のルールが、ふたりにとってはとても新鮮で心に残る体験となりました。