どうぶつ
「どんな気持ちでひとりぼっちで待っていたのかなと思ったら…」 名前もわからない保護犬をお迎え→9か月の同居生活に「心から尊敬します」と感動の声
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亡き飼い主さんを思っていたかわいいさん
お迎え当初、かわいいさんには前の飼い主さんへの思いが色濃く残っていたようです。散歩中に救急車を見かけると飼い主さんがいなくなった時を思い出すのか追って行こうとしたり、何か伝えたいのか夜中に人間を叩き起こして“アウアウ”と説教をしてきたりしたそうです。そんなかわいいさんの気持ちを理解しようと努めた飼い主さんでしたが……。
「12年の歳月には勝てなくて、わかってあげられなくてごめんなさい」
そう言い続けていたら、かわいいさんも勘弁してくれるようになったといいます。実は飼い主さんもかわいいさんをお迎えする2年前に、15年飼っていたパグを亡くし悲しみを抱えていたのだそう。もう次は考えられないと思っていましたが、かわいいさんをお迎えすることで勇気づけられていたといいます。
「コロナ禍の真っ最中で仕事もつらく、もう全部放り出してしまおうかなーと考えていたところを『この子もいるし』と踏みとどまれました」
飼い主さんに勇気をくれたかわいいさん。最期が近いときにも印象に残るエピソードがあったそうです。
以前、トイレのしつけで上手にできた時に飼い主さんが大げさに喜んでことを覚えていたのでしょうか。もう息を引き取る数時間前、グッタリ寝ているかわいいさんを見ながら飼い主さんがしょんぼり泣いていたとき、急にグイッと起き上がってヨロヨロとトイレに行ってこちらを見ながら用を足したといいます。やはり力がなくそのままドテっと倒れてしまいましたが、飼い主さんはその行動に深い意味を感じ取りました。
「あれは私に『辛気臭い顔するな、上手にするからまたアホみたいに喜んでくれ』と思ってやってくれたのではないかと思っています」

現在、飼い主さんは次に引き取った保護犬の「スイカさん」と、もらいねこの「オッテさん」とともに暮らしています。かわいいさんを引き取ったことで、次も保護犬にしようと考えたそうです。短い9か月の間に、かわいいさんは新しい家族に大切なことを教えてくれたのかもしれません。
○取材協力:えぼり(@eboli_ef)さん
(Hint-Pot編集部)
