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「食材の脂が過熱して発火」 誤った時短術→グリル付きコンロでの火災に注意 やってはいけないこととは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ガスコンロのグリルは正しく使用を(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
ガスコンロのグリルは正しく使用を(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 サンマやサバなど、脂ののった魚がおいしい季節です。魚焼きグリル付きのガスコンロで、調理をしている家庭も多いでしょう。しかし、掃除の手間を省くための時短術を誤ると、火災や一酸化炭素中毒といった重大な事故につながる危険性があります。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、公式ウェブサイトで、ガスコンロの正しい使用方法について呼びかけています。

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掃除の手間を省くためにやりがちな行動に注意

 掃除を楽にしようと、グリル焼き網の上や下に、アルミホイルを敷いて調理していませんか? 実はこの行為が、火災を引き起こす原因になりかねないといいます。

 NITEに報告された事例では、ガスコンロのグリルで鶏皮を焼いていた際、排気口から火が出る火災が発生しました。これは、焼き網に敷いたアルミホイルに鶏皮の脂が溜まり、そのまま過熱されて発火したものと推定されています。

 鶏皮やサンマなど、脂が多い食材を焼く際にアルミホイルを敷いてしまうと、ホイル上に溜まった脂が発火したり、飛び散った脂に引火したりする危険があるとNITEは指摘しています。安全装置が作動する前に火が出るケースもあるため、十分な注意が必要です。

 NITEは、「グリル庫内に入れるものは必ず取扱説明書で条件を確認し、機器指定以外のものは入れないようにしましょう」と呼びかけています。

異常燃焼や一酸化炭素中毒の原因になることも

 もうひとつ、絶対にやってはいけない時短術があります。それは、グリル排気口をアルミ箔などでふさぐ行為です。

 グリル排気口は、グリル庫内の煙や熱を外に逃がすための重要な役割を担っています。しかし、臭いの拡散や汚れの付着を防ぐ目的で、アルミホイルなどで完全にふさいでしまうと、異常燃焼による一酸化炭素中毒や火災、機器焼損の原因になります。

 また、ふきんなどの可燃物をグリル排気口の上に置いたままにしていると、熱で溶けたり、発火したりすることがあり危険です。NITEは「グリル排気口の上や周囲には物を置かないようにしてください」と警告しています。

こまめな掃除や確認が大切

 NITEは、グリル内に食品カスなどが残ったままだと、過熱されて発火するおそれがあるがあるため、使用後にこまめな掃除を行うよう促しています。また、グリルは火がついているかどうかがわかりにくいため、使用中・使用後に必ず点火・消火を確認しましょう。

 さらに、調理中に安全機能が作動して火が消えても繰り返し点火しないことや、ガスコンロの下に新聞紙など可燃物を敷かないことも注意点として挙げています。秋の味覚を安心して楽しむためにも、取扱説明書をよく読み、正しい使用方法を守ることが大切です。

(Hint-Pot編集部)